愛知の山本稔さんが新星候補天体を発見2020/02/02

20200202_PNV J17561375-2942546
星仲間の(の)さんからの情報で、愛知県の山本稔さんが1月31日明け方、いて座に11.5等級の新星候補天体を発見したとのこと。「いて座!?」と耳を疑いました。いて座と言ったら、ほんの1月前に太陽がいたところです。まだ太陽に近すぎるのでは…?そう思って位置を調べたところ、案の定天文薄明開始時でも高度10°に届きません。しかも天の川の中…。そんな位置に11等発見とは恐れ入りました。

撮影したいけれど自宅庭では全く見えない低さですから、機材を抱えて徒歩で見晴らし良い所へ。200mm程度のレンズを精度良くガイド撮影しなくては低空の微光星など写りません。荷物はそれなりの重さになり、障害を持つ身にとって苦労の連続でした。

それはともかく、天文薄明開始前になんとかセッティングを終えました。M8(干潟星雲)からたどれる位置のため、M8をフレームインして撮影。ところが薄明開始後もしばらくは新星候補天体が遠方の林に邪魔される位置。やっぱり低すぎてダメなのか…。不安を抱えつつも撮影を続け、次第に明るくなる空との追いかけっこです。どうにか撮影できたのが左画像。暗いけれどしっかり写ってくれました。

左サイドから下サイドにかけて広範囲の黄色いモヤモヤが天の川(銀河中心部付近→2019年4月16日記事参照)。画像上方向が天の北方向なので、左下側が地面側です。ズーム画像を貼って誤魔化してますが、地面側に林の影が写ってます。低空の微光星は上空より気象条件の影響を大きく受けます。今朝は透明度が良くて助かりましたが、発見した山本さんもこうした低空ならではの苦労を味わいながらの発見だったのだろうと思うと頭が下がります。山本さんは去年8月17日に発見されたさそり座新星(V1707 Sco)の際、5名の日本人独立発見者のお一人でもありますね。この新星もかなり低かった…。

昨夜から今朝にかけては安定した晴れ間でした。宵の月撮影後から上記の明け方撮影までたっぷり時間があったので、夜半ごろからNGC3463とNGC5371の超新星候補天体(板垣さん発見)を再撮影。1月31日の撮影は雲が多すぎて不完全燃焼でしたが、今回はしっかり露出できました(下A・B画像)。双方の超新星候補天体ともはっきり輝いていました。

  • 20200202_AT2020bij in NGC3463

    A.AT2020bij in NGC3463
  • 20200202_AT2020bio in NGC5371

    B.AT2020bio in NGC5371


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