2019年米国の甚大自然災害損失額を見る2020/01/26

2019年アメリカ甚大自然災害マップ
掲載が20日近く遅れてしまいましたが、2019年のアメリカ甚大自然災害集計が1月8日にNOAAから報告されています。去年は年末年始にかけても政府機関閉鎖騒動が続いていたため公表が1ヶ月遅れましたが、今年は例年通り1月初旬の公開で安心しました。

左は2019年におけるアメリカ甚大自然災害マップです。いわゆる「Billion-Dollar Weather and Climate Disasters」に相当する件数は2018年と同数の14件にのぼりました。いっぽう被害による損失額は3189億ドルを記録した2017年から毎年減っており、2019年は450億ドルでした。(※その年ごとのCPIによる換算のため、額面は発表年に伴って若干変動します。)また1980年から2019年までの損失額変遷を描いたのが右下図。水色折れ線グラフが損失額、積み上げ棒グラフが災害種別ごとの発生件数を表します。

アメリカ甚大自然災害・損失額の変遷(1980-2019年)
ここ4年ほどは件数がほぼ横ばいであるにもかかわらず、損失額の上下が甚だしいですね。「件数×10億ドル」といった単純な計算ではなく、人的被害やライフラインダメージなど、より高額資産の被災ほど高く見積もられますから、同じ自然災害でも発生場所、面積、内容によって損失額にカウントされる数値は変わるわけです。

別途まとめられている各件毎の損失額によると、2019年内でもっとも被害額が大きかったのは3月14日に発生した「Missouri River and North Central Flooding」の108億ドル、2番目はその翌日発生の「Mississippi River, Midwest and Southern Flooding」の62億ドルでした。特にミシシッピ川の洪水は4ヶ月にわたって続き、農業被害が深刻との報道がありましたね。

また、特筆すべきは「California and Alaska Wildfires」でしょう。映画の都ハリウッドにも火の手が迫り、セレブたちの別荘が燃えた等の報道もありました。昨年から続くアマゾンやオーストラリアの大規模火災も心配ですが、アラスカ・カナダ・米国西部にかけての森林火災も毎年のように起こっており、2019年は実に半年に及びました。損失額こそ都市部災害より少なく見積もられる傾向ですが、森林を失うことはお金に例えようのないほど重大な損失であり、軽視することはできません。また「甚大災害」とは見なされないようですが、永久表土であった土地が世界気温の上昇で溶けつつあるのも、良い面だけでなく悪い面がありますから、看過できないことでしょう。

参考:
2018年米国の甚大自然災害損失額がやっと発表されました(2019/02/11)
2017年米国の甚大自然災害損失額は過去最高(2018/01/09)