フィリピン・タール火山の噴火が日本まで…2020/01/13


20200112タール火山噴火
昨日12日15時過ぎごろ、ルソン島にあるタール火山が噴火しました。かなり大きな規模だった様で、噴煙が上空15000mまで届いたそうです。当然、航空機は影響を受けますので、空港閉鎖やルート変更を余儀なくされているとのこと。左は気象衛星ひまわりの可視光画像で、12日18時の様子(画像元はNICT/地図・註釈等は筆者)。画像中央が夏の入道雲のようにモクモクしていますが、この直下に火山があります。

ひまわり画像の他のバンドも確認してみました。夕方から夜にかけての事象なので、可視光ではなく近赤外による水蒸気等のチャンネルのほうが見やすいと思ったからです。4バンド×15時間ぶんほど閲覧しました。するとバンド8・9・10(上層・中層・下層の水蒸気量)などに噴火由来と思われる顕著な雲が確認できました(右下画像/画像元はRAMMB/地図・註釈等は筆者)。

20200112タール火山による雲
また、12日15:00JSTから13日7:00JSTまで30分おきの画像を使い、アニメーションも作ってみました(左下画像/2MBほどあるのでご注意!!)。これを見ると、火山由来の雲は上層の気流に乗って、今朝までに南西諸島付近へ到達していたことが分かるでしょう。薄まっているとは言え、「他国のことだから関係ない」などと言ってられない状況です。

20200112タール火山による雲
大規模火災や火山噴火由来で発生する積雲または積乱雲(Pyrocumulonimbus)というものがあります。燃えたときに出る激しい上昇気流・雲粒子の中心核になる灰・燃えたものから出る水蒸気の合わせ技で形成される雲のこと。人為的ですが原爆のキノコ雲もこれに該当します。発達すると猛烈な雷を周囲に落とし、ますます被害を大きくすることもあるそうです。昨年からのオーストラリア森林火災でもこの悪循環に陥っているみたいですね。

もし今日の日本上空に少ないながらも火山灰が舞っているなら、空に何らかの変化があるかも知れません。霞んでいる、透明度が悪い、朝焼けや夕焼けの色がいつもと違う…など、詳しく観察してみてください。広範囲で確認できれば、SNSなどでデータを集めて分布図を描くことも可能でしょう。

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