板垣さんが年末に新天体を発見2020/01/01

20200101_AT2019yvq in NGC4441
3日前の12月29日明け方近く、山形県の板垣公一さんがりゅう座の尻尾付近にある系外銀河NGC4441に超新星候補天体を発見しました。すぐにでも撮影したかったのですが、29日夜から翌日にかけて天気が崩れてしまい、そのまま年の瀬に…。今朝方やっと撮影できました(左画像)。それにしても大晦日から翌朝までは交通量が多いし街明かりも消えないし、夜中までサーチライトやら年越し花火やら、空が落ち着かないです。

発見された星は16.5等で比較的明るかったけれど、銀河核に極めて近い位置。冬の関東は大気の揺らぎが大きくて接近二重星の分離が困難なほどですから、検出できるかどうか微妙でした。でも昨夜はある程度落ち着いていたので、撮影中のモニター画面でも「おでき」のような恒星像として見えました。こんな位置に発見できてしまうなんてすごいなあ。NGC4441は明るい中心核から北側にまっすぐ一本、南側にはカーブする二本の淡い腕が伸びています。左画像で微かに写ってますが分かるでしょうか。実に奇妙な形です。

20191231パンスターズ彗星(C/2017T2)
超新星候補天体が北東に昇るまで、パンスターズ彗星(C/2017T2)も撮影してみました(右画像)。実質、2019年最後の撮影がこれになりました。夕方に吹き始めた強い風が夜半まで残ったため、星像が揺れて膨らんでいます。

パンスターズ彗星は見る度に成長しており、昨夜は緑色のコマがとてもよく写ってくれました。尾の方位角が急激に変化してきました。まだまだ成長が望めますから、今年の楽しみのひとつですね。夜明け前には空一面に雲が出てしまいましたが、日の出頃にはまばらになってくれました。2020年の空模様、幕開けです。

コメント

トラックバック