久々の透明な星空に見た彗星たち2019/10/05

20191005ボリソフ彗星(2I/Borisov)
昨夜から今朝にかけていつもより湿度が20%も低く推移し、ときおり雲が流れるものの、透明度の良い星空でした。大気の揺らぎが激しくて望遠鏡に届く像は悪化していましたが、何よりもまず晴れないことには天体観察したくてもできません。時間が許す限り淡い対象の撮影を試みました。

一番楽しみにしていた「ボリソフ彗星(2I/Borisov)とNGC2903の大接近」にタイミングぴったりだったことは実に幸運。でも彗星が暗くて速い上、あまり高く登らないうちに夜が明けてしまうため、どうやって画像に収めるかあれこれ悩みました。ひとまず左の様に仕上げてみましたが、やはり彗星が17等では見栄えがしませんね。それでも天体同士のニアミスはダイナミックでワクワクします。

20191005シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星(29P)
この撮影に先立って、夜半ごろ天頂近くにあったシュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星(29P)も撮影しました。実は星仲間の(の)さん経由でATelの情報をいただいたのです。シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星は度々アウトバーストを起こして明るくなる彗星ですが、今夏以降も2回ほど起きたようです。その観測過程で、彗星核の分裂が示唆されているとのこと。

真っ二つになる様な事態ならアマチュアの機材でも撮れるのでしょうが、そういうことではなさそう。でも念のために観測を、ということで望遠鏡を向けました。普段は暗いので1.8時間ほど露出をかけて丁寧に撮ってみましたが、増光していること以外は分かりませんでした。小さな核でも写っていたら面白いのですが…。

20060321シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星(73P)
2006年ごろにシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星(73P)の分裂核がズラーッと並んで光っていた事を思い出しました。左は当時撮影した73PのB核とC核の様子。もう10年以上も前かぁ。晴れる度に核を順番に撮影してまわり、とても忙しい日々だったことを思い出します。

参考:
ボリソフ彗星は遠くて暗くて速い!(2019/09/25)


台風になるかも知れない熱帯低気圧発生2019/10/05


20191005-1200熱帯低気圧
気象庁によりますと、本日9:00に「台風になるかも知れない熱帯低気圧」が発生したとのこと。

左は発生から3時間経った12:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。オレンジ点線円は熱帯低気圧中心の直径1000km円を表しています。

まだ日本から遠い海ですが、いくつかの気象モデルを見ると来週後半から週末にかけて日本の南海上へ接近する見込みのようです。

20191005-0900ut-JTWC
参考までに本日18時時点のアメリカ海軍・JTWC(Joint Tyhoon Warning Center)の予報図#1を載せておきます(右図)。予報通りなら、かなり発達してからの接近になりそうですね。

ちょうど連休あたりに陸域へ近づいたり上陸する可能性もあるため、気に留めて情報収集し、早めの防災行動を心掛けてくださいね。過去の台風や土砂災害のダメージがまだ残っている地域も多いことでしょう。被害が拡大しないよう願っております。

今日の太陽2019/10/05

20191005太陽
朝からよく晴れています。でも天気はゆっくり下っているようです。

20191005太陽リム
左は10:20頃の太陽。活動領域12749は中央左下にはっきり見えています。可視光では黒点の存在がほとんど分かりません。右上リムにはっちゃけたプロミネンスがまだ見えています。右下および左上リムにもプロミネンスがボンヤリ見えていますよ。