秋分と金星、太陽、そして地球2019/09/23

20190907-2330気象衛星ひまわり画像
なんだか殺風景な左画像ですが、実はこれ、気象衛星ひまわりが撮影した「地球と金星のツーショット」(画像元:NICT/画像処理は筆者)。今年9月7日23:30の撮影です。細く円周が見えているところが地球。金星は輝点ノイズの様に小さく写っています。(※原画上でも数ピクセル。)

今日は秋分。赤道上空で地球に対してほぼ静止している気象衛星ひまわりから見ると、毎年春分と秋分の真夜中に地球中心近くを太陽が通過するのです。衛星にとって「地球が日食を起こす」様に見えることから、地球に太陽が隠される一定期間を「食の期間」とし、予報を立てています(→参考:気象衛星センター・運用情報)。衛星にとって食の時間は太陽直接光や電磁波の影響をまともに受けるので、カメラ保護や通信ノイズ対策など注意を要するからです。

ところで、金星は8月14日に黄経外合を迎えました。外合時期は見かけの動きがゆっくりですから、1ヶ月余り経った今でも太陽との離角は10°程度を保っています。気象衛星が秋の食を迎えるこの時期、太陽のすぐ側に金星もいたことになるのです。と言うことはこの9月、真夜中近くの衛星画像に金星が写っているかも…という結論が導けるでしょう。

これまで当ブログでも何度か紹介してきましたが、月や明るい惑星、1等星の内、ひまわり撮影範囲(赤経がプラスマイナス約8°以内)にあるものは、1日1回ひまわりが見ているんです。今季の金星を計算すると、8月28日頃から10月6日頃までがこの期間に当たります。とは言え、10分間隔でしか撮影せず、しかも地球外周のわずかに宇宙が写る部分に別天体が入り込む確率はそんなに多くありません。今日以前の二週間ほどを探し、一番きれいなものが冒頭画像だった次第。

  • 20190907-2130気象衛星ひまわり画像

    A.120分前
  • 20190907-2230気象衛星ひまわり画像

    B.60分前
  • 20190907-2300気象衛星ひまわり画像

    C.30分前

せっかくですから、途中経過もご覧ください。冒頭画像に対し、120分前、60分前、30分前の同一アングルを上A・B・C画像に引用しました。日本はもう夜ですから可視光画像では真っ暗。C画像左上が黒塗りされているように見えますが、ここに太陽があって遮光処理が施されているのです。(※よく見ると60分前画像にも太陽の迷光が写っていますよ。)C画像の30分後、太陽に対して黄経の東側(左やや下側)に位置する金星が偶然ひまわり写野に入ったという流れです。

太陽も金星も今後は赤緯がどんどん下がるため、ひまわりから見ると地球の南極側を通過する様になるでしょう。こうして北半球には冬が、南半球には夏がやって来るわけですね。次に金星がひまわり写野を通過する様になるのは来年1月22日頃からでしょう。

参考:
アーカイブ:人工衛星が観た地球
気象衛星が見た春分満月前の月と地球のツーショット(2019/03/26)
金星が地球の北極側を通過(2017/02/23)

今日の太陽2019/09/23

20190923太陽
昨夜それなりの雨が降った後、薄雲越しに月が見えるくらいまで回復しました。朝からは予報通り強風となり、近くのアメダスポイントでは11m/sを越す風になっているようです。雲が足早に流れ、また風に機材が揺れて、晴れ間があるにもかかわらず太陽観察は昨日より困難を極めました。

20190923太陽リム
左は10:40過ぎの太陽。活動領域はありません。見辛いのですが、右上リムにとても大きなプロミネンスが出ていました。二重のループ?うむむ、もう少し解像度が上がれば…。

今日は二十四節気の秋分。南風が吹き込んで気温が激しく上昇し、ちっとも秋らしくありません。19日からずっと二桁台が続いていた真夏日地点数、今日は15時の段階で238地点、うち猛暑日地点数が5地点もあります。