いきなり2019年の台風16号発生2019/09/15


20190915-2100台風16号
突然ですが、本日21:00に台風16号「ペイパー/PEIPAH」が発生したと気象庁から発表がありました。直前の台風15号発生から10日と6時間後、15号消滅から5日と6時間後の発生になります。

左は発生時の衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。夜間なので赤外線白黒画像です。赤点線円は台風中心の直径1000km円を表します。なおこの台風は9月11日に発表されていた「台風になるかも知れない熱帯低気圧」ではありません。この時発表されたものは後日取り消されて低気圧になり、現在関東の南、小笠原諸島の北域に大きな雲の塊を作っています。

左画像をじっくりご覧いただきたいのですが、21時の時点で房総半島に雨をもたらしている雲の固まりも15日9時に発生した新しい熱帯低気圧です。南から前線を押し上げる様に北上しており、その南には「元・台風のたまご」が鎮座し、更にその南東に台風16号という配置です。16号は15号の様に北西へ進む予報ですが、あまり発達せず本州まで到達しないで終わるとの見方です。それでも他の低気圧や水蒸気の動きを滞らせたり、融合したりしながら間接的に影響が及ぶでしょう。少なくとも小笠原諸島まで台風のまま接近しますから、「日本に影響ない」なんて言うべきではありません。間に挟まれている「元・台風のたまご」の動きや再発達にも注意する必要があるでしょう。脅威の対象が台風だけとは限りませんから。

台風15号が9日に首都圏を直撃し、千葉などを中心に大きな被害が出ました。一週間経つのに、いまだ電力が復旧せず、食料・水・必要物資がままならない地域が多い状況です。15号の元になった熱帯低気圧発生情報を当ブログに掲載したのは、16号より遙かに遠い海域にあった頃でした(→9月4日記事)。この時点で今回の惨状を予見し、用心や防災に奔走した方は何人いらっしゃったでしょうか?本当に心が痛みますが、追い打ちをかける様に今日からしばらくの間は油断ならない気圧配置。少しの雨でも復旧が遅れ、健康被害も発生するでしょう。疲労と緊張とで「防災疲れ」が出ている頃とは思いますが、被災地の方も、そうでない方も、十分お気を付けください。

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