ブラックムーンはいつ起こる?2019/08/31

20060329皆既日食
昨夜は新月でしたが、曇り時々小雨の夜を迎え、恩恵(?)にあずかることはできませんでした。今年の8月はあまり晴れませんでしたね。新月前後は暗い天体や淡い星雲、流星観察などに最適ですが、いっぽう月を観察する方にとっては寂しいでしょうか。

通常だと「新月を撮影する」なんてことはできません。唯一可能なのは皆既日食のとき。左は2006年3月のトルコ日食のもので、撮影された天体写真家の田中千秋さんから画像処理を依頼された当時のサンプルです。

元画像が階調の少ないjpegフォーマットだったため苦労しましたが、露光オーバーぎみの何枚かに月の「海」が写っていて驚きました。逆光であっても太陽光球面の直接光さえ完全に隠されていれば、新月面が地球照でうっすら光る様子が写るんだなぁと感心したものです。

さてお気付きの方も多いでしょうが、2019年8月は2回の新月がありました。1日と30日です。一ヶ月に2回の満月ならば2回目を「ブルームーン」と言いますが、新月の場合は「ブラックムーン」と呼ばれるそうです。つまり昨夜は正にブラックムーンでした。ブラックムーンという表現がいつ頃どんな経緯で生まれたのかはっきりしませんが、定義が複数あって、ブルームーンよりも混乱しますね。ブラック企業やブラックバイトなどの言葉は悪いイメージもあるけれど、ブラックムーンだけはそうじゃないと信じたい…。

以前に2018年3月31日記事でブラックムーンを引き合いに出したことがあり、この時の定義は「一度も満月がやってこない月」という意味でした。近年の月運動による1朔望月は平均29.53日、最長だと29.8日余りかかるので、満月が一回も起こらないのは2月に限定されます。このほか「一度も新月がやってこない月」もブラックムーンと呼ばれるそうで(どうしてこう呼ぶのか全く理解できません…)、こちらも同じ理由で2月限定です。

試しに1900年元日から2100年大晦日(日本時間区切り)までの201年間で計算したら、それぞれ次の10回ずつ見つかりました。

  • 全満月回数…2486回
  • 全新月回数…2487回
  • 2月に満月がない年(2月が満月なしのブラックムーンとなる年)
      1915年・1934年・1953年・1991年・2010年・2018年・2029年・2037年・2067年・2094年
  • 2月に新月がない年(2月が新月なしのブラックムーンとなる年)
      1900年・1911年・1938年・1957年・1976年・1995年・2014年・2033年・2071年・2090年

話を戻すと、これとは別に「新月がひと月に2回あるときの2回目」や「二分二至で分けた期間に新月が4回あるときの3回目」といったブルームーンと全く同じブラックムーン定義も存在するとのこと。計算意欲をそそられたので、さっそく一覧表を作ってみました。詳しくはアーカイブ「新月とブラックムーンの一覧」を作っておきましたのでご利用ください。回数のみ書いておくと、上記の期間で計算した場合は次の様になりました。参考までにブルームーン回数も書いておきます。なお月間重複定義ではタイムゾーン(標準時間帯)が違うと一日の区切りが変わるため、異なる結果になりますからご注意。

  • 二分二至によるブラックムーン…76回
  • 月間重複によるブラックムーン…85回
  • 二分二至によるブルームーン…75回
  • 月間重複によるブルームーン…84回

ブラックもブルーも、同じ定義ならだいたい同じ回数になるのですね。それにしてもリサーチ中に最も驚いたことは…1900年1月1日と2100年12月31日がどちらも「新月」、しかも月間重複ブラックムーンの月だったこと!偶然にしては出来過ぎてる!?

今日の太陽とその周囲2019/08/31

20190831太陽
8月も最終日となりました。朝の空模様を見る限り太陽観察は無理そうに思えましたが、午後には少し青空が見え、セミの声がやかましくなりました。

20190831太陽リム
左は13:15頃の太陽。薄雲越しです。相変わらず活動領域はありません。でもプロミネンスは何ヶ所か確認できました。特に左上リムのものは小さいながらも明るく、ハッキリしていました。

今日の太陽の周囲には(見かけ上ですが)目立つ天体が大集合しています。右下は太陽観測衛星SOHOサイトからの引用で、4:18UT(13:18JST)のLASCO-C3カメラ画像。ちょうど上の観察画像と同じ頃ですね。

20190831-0418UT-LASCO_C3
金星はだいぶ東に寄りました。それを追いかける様に西から水星が入っており、9月4日に黄経外合を迎えます。いっぽう25日に金星と大接近した火星は西へ進んで太陽に近くなり、9月2日に黄経の合となります。

また、はっきり見えてはいませんが、SOHO彗星(322P)が太陽に接近しており、予想されている位置にそれらしい動きの天体が確認できます。(※大部分の白い点々は宇宙線などのノイズなので、特定するのが結構難しいのです。)計算上は今夜が光度ピークですが、せいぜい5等級なので、大バーストでもしない限りこれ以上明るく見える事はないでしょう。でも、あと1日くらいは淡い期待を込めて観察するとしましょう。