再び月の北極観察に挑む2019/08/21

20190821月の北側
昨夕は土砂降り、雷と続き、分厚い雲が残る夜を迎えました。21日になって少し経ったころ起きてみると、意外にも晴れ間が広がっているではありませんか。18日頃から予定していた月の北極観察にちょうど頃合いも良く、早速機材を準備。ところが準備を終えた段階でまさかの雲襲来!万事休す…。

しばらく待っても完全に回復することはありませんでしたが、南中を迎えたころわずかな雲間から断片的に観察できました。十分なコマ数が得られず画質は悪いけれど、撮影画像を何とか仕上げて左に掲載します。全体像を撮影する暇が全く無かったので、月の北側、ワンシーンのみ。さらに、ここから北極付近をトリミングしたのが下A・B画像です。概ね、前出の18日明け方撮影に近いエリアとしました。比べてみてください。強めの画像処理が必要だったので、荒れているのはご容赦ください。また満月からずいぶん日が経ったので、18日画像で良く見えていたAnaxagorasから伸びる光条もあまり見えなくなりました。

クレーターを特定してみると、驚いたことに北極点の向こう側まで写っていました。秤動のおかげで前回より地球側に傾いていたようで、北極点近くのクレーター、PearyとHermiteはクレーター底がよく光っています。更にはHermiteの奥側に隣接するLenard、更にその奥に広がる巨大なRozhdestvenskiyのクレーター壁までしっかりと確認できました。これは雲の中で苦労した甲斐があったというもの。Rozhdestvenskiyは間違いなく北極点より遠い側に位置するので、この画像は北極点周囲全体を含んでいることになるでしょう。

約1ヶ月後の9月17日前後、および10月15日前後、11月11日前後、12月8日前後と北極観察条件が良い日が続きます。それぞれ秤動値だけでなく月相が変わるので、今回の様に見える訳ではありません。機会があればぜひ望遠鏡を向けてみてください。

  • 20190821月の北極付近

    A.月の北極付近
  • 20190821月の北極付近

    B.月の北極付近(名前付き)


2019年の台風11号が発生2019/08/21


20190821-1500台風11号
気象庁によると、昨日から警戒を呼びかけていた「台風になるかも知れない熱帯低気圧」は、本日15:00に台風11号「バイルー/BAILU」となりました。直前の台風10号発生から15日後、10号消滅からは4日18時間後になります。

左は本日15時の衛星画像(画像元:NICT・RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点線円は台風中心の直径1000km円を表しています。昨日よりも若干雲のまとまりが強くなりました。

今後台風は北西にある台湾の方向に向かうとの予報ですが、南西諸島付近は影響あるかと思われます。早めの対策をしてくださいね。