長崎に警戒レベル5相当の「大雨特別警報」2019/07/20


20190720-1200jst気象衛星画像
17日15時から大型のクラスとなった台風5号は南西諸島を横切り、今日は九州北西まで到達しています。左は本日12:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点線円は台風中心の直径1000km円を表しています。

20190720長崎県・大雨特別警報
この台風は中心近くに発達した雲が少ない代わりに、だいぶ東側に離れたアウターバンドがとても発達しています。この影響で長崎県に大雨特別警報(警戒レベル5相当)が発令されました(右図/15:10現在のもの)。今年5月から始まった5段階気象情報の発令ですが、レベル5は初めてです。

下A・B図は気象庁サイトからの引用で降水レーダーの様子。昨日から時々様子を見ていましたが、五島列島や対馬列島に真っ赤な表示が貼り付いて取れません。また、あまりニュースでは取り上げていないようですが、宮崎県から大分県にかけての太平洋側にも強い降雨帯が貼り付いています。(※宮崎県には土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当)が出ている地域があります。)

  • 20190720-0900降水レーダー

    A.20日9:00
  • 20190720-1300降水レーダー

    B.20日13:00


天気予報では「1時間雨量」や「降り始めからの総雨量」の発表ばかりなので、変化や推移がイメージできません。実際どれほどの降水量変化なのか気になったので、気象庁のアメダス速報記録からグラフを描いてみました。五島列島と対馬列島の各2地点データを使い、下C図は1時間降水量を、D図は累積降水量を図化したものです(18日0:00から20日13:00まで)。このふたつを見比べるだけでも「変化に注視する」意義が読み取れるのではないでしょうか。

台風接近に伴い、昨夜から急な大雨になったことはもちろんなのですが、その前から梅雨前線による雨がかなり降ってることが分かるでしょう。ひとまとまりの雨が100mm程度で断片的であっても、1日置かずして何度も何度も降るようなケースなら大災害のリスクは増大します。今回は「最後の一押し」が運悪く台風になってしまいました。しかも半日以上大雨が続いています。「朝起きたら特別警報出てたから逃げよう」では完全に逃げ遅れるパターンですね。また最後の一押しとは書いたけれど「台風が去ったら終わり」という保証もありません。

警報の有る無しにかかわらず、無駄足になったとしても、命を落とすよりは増しでしょう。他の人よりひと足、ふた足、早く逃げても大きな損ではありませんよ。

  • 降水量変化

    C.降水量変化
  • 累積降水量変化

    D.累積降水量変化


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