夏至の梅雨空は日本らしさ2019/06/22

ホタルブクロ
「昨日21日は夏至ではない」という記事を書きましたが、今日こそ本当に夏至を迎えました。とは言え、私の住む茨城は午前中から雨がぱらつき始め、完全に梅雨空です。

夏至という言葉は「夏」の字があるから、太陽燦々なイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。実際、この時期に雨期を迎える地方以外の北半球住まいなら、ギラギラな日光が突き刺さる一日だと思います。日本(特に本州以南)での夏至に太陽のイメージが湧かないのは明らかに梅雨のせいでしょう。

6月7日の記事で「短日植物」についてちょっと触れましたが、私がこの性質を学んだとき「本当だろうか」と疑問に思ったものでした。確かに植物は光や重力のセンサーを持っており、短日植物や長日植物と言った「光周性」も認められます。実験室や管理された栽培区画の中ではそうした性質を活かすこともできるでしょう。ただ、実際に私たちが自然界に感じる「毎年気候が違う」事実は植物も動物も同じでしょう。機械で測ったように「夏至の頃は絶対に昼が長い」とは限らないのです。

昼時間と日照時間(つくば市)
右図は、当サイトが基準としている茨城県つくば市について、計算上の昼時間(日の入り時刻から日の出時刻を引いた時間)と日照時間の日平年値とを比較したグラフ。計算上の昼時間は間違いなく夏至に極大を迎えますが、なんと!日照時間はほぼ極小期を迎えるのです。かなり衝撃の事実ですよね。この傾向は多少の差はあれど梅雨前線の影響を受ける全地域に言えるでしょう。

短日植物の代名詞であるアサガオやコスモスはつくば市で夏に咲かない…なんて言うことはありません。実験室内ではなく、自然の中で短日植物は何を持って「夏至を過ぎて日が短くなり始めた」と判断するのでしょうか?このグラフを見る限り明暗の変化量だけで説明するには無理があります。ご存じの方いらっしゃったら教えてください。

茨城県つくば市・年間全天日射量の平年差
気象の傾向は毎年微妙に変わるため、そうした変化を植物たちはどう捉えるのだろうという疑問もあります。(もっとも多年生植物でないと変化を知る由もないのですが…。)

日照時間や全天日射量を年ごとに集計すると、少しずつ変化していることが分かります。2018年4月11日記事でアフリカ干ばつを取り上げたとき、左図を作りました(※2018年ぶんを追加)。これは茨城県つくば市について、「年間全天日射量の平年差」を1年ごとに計算し、1971年以降の傾向を探ったもの。ここで基準としている平年値は1981年から2010年までを集計したもので、青のトレンドラインは傾向を示したものです。

恐ろしいことに、平年値算出の末尾年である2010年以降、この平年差がゼロを下回ったことは一度もありません。毎年のように日照が増え、結果として太陽からより多くの日射エネルギーをもらい続けていることになります。これは近年雨が少ない(降るときはドバッと降るが、年間総量は少ない)ことや真夏日の増加と言ったことも相互に関係するでしょう。生命活動にも限界はあるので、今日のように「日本らしい夏至の梅雨空」を迎えると、なんだかホッとします。

参考:
日出没・暦関連の記事(ブログ内)

千島列島の雷公計島で大きな噴火2019/06/22

20190622雷公計島噴火
千島列島のなかほどを構成する中部千島のひとつ、雷公計島(らいこけとう)で、本日22日3:10ごろ噴火が確認された模様です。大きく舞い上がった噴煙は15時現在も確認でき、活動が続いているようです。

気象衛星ひまわりでもはっきり確認できますが、もっと解像度が高い地球観測衛星Terraが捉えていますので左に引用します(元データ:NASA-World-View)。午前の撮影と思いますが、東に向かって茶色の噴煙が流れていますね。色の濃い状態だったので、衛星画像を見たとき驚きの声を上げてしまいました。数時間でおさまる火山の煙とは一線を画す独特の景観です。

20190622雷公計島噴火
右画像は左上画像の噴煙近くを拡大したもの。正午前の実況では噴煙頭頂が43000フィート(約13100m)に達しているとのこと。今日はこのあたりの雲が多く、島や海がほとんど見えません。北海道の知床岬から雷公計島までの距離は約750km。これは札幌・東京間830kmより近く、だいたい静岡・福岡間の距離くらいです。

相次ぐ大地震とともに、環太平洋火山帯周辺の噴火活動も度々耳にします。用心しなければ…。

【6月23日朝追記】
噴火はまだ若干続いているようにも見えますが、概ねおさまったようです。噴煙の流れは大きく拡散しました。カムチャッカ半島東沖合にやや大きな低気圧があり、その縁に沿って低気圧に巻かれているようにも見えます。気象衛星ひまわりが撮影した昨日4:00から今日4:00まで12時間おきの画像を下に引用します(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。これは可視+近赤外バンド画像を加工して、色合いをはっきりさせたものです。

なお、冒頭の地球観測衛星画像や下の16:00画像で、噴煙南東側に太い筋状の雲痕が多数見つかりますね。これは船舶が通った痕跡と思われます。船舶の出す熱い排煙は周囲の冷えた空気に対して軽いため、急速に上昇しながら冷え、同時に排煙をコアとした雲を作ります。これが「人工の雲」として宇宙から見えるのです。

  • 20190622-0400JST気象衛星ひまわり

    6月22日4:00JST
  • 20190622-1600JST気象衛星ひまわり

    6月22日16:00JST
  • 20190623-0400JST気象衛星ひまわり

    6月23日4:00JST


参考:
アーカイブ:気象衛星が観た火災や火山(ブログ内)