宵空に光り出す細い月2019/05/07

20190507宵空
ゴールデンウィーク明けの今日、やっと晴れたのは日が暮れてからでした。昨日から今日日中は星々も太陽も一度も姿を現すことなく、夕方には雨まで降る始末。おかげで空気はヒンヤリしています。

19時過ぎにベランダから西を見ると、美しい二日月が薄暮に浮かんでいました。月と建物との間に見える星はおうし座の1等星アルデバラン。GWが終わると冬の星々も早々に地平へ隠れてしまう季節です。時の流れは早いですね。

東にはまだ雨雲が残っていますが、じき快星になるでしょう。

巣立ちの季節にふくろう星雲2019/05/08

フクロウの雛
私の住む茨城県南部の街では、フクロウの営巣が少なくとも3ヶ所確認されています。街の人口は10万を越えない程度ですが、人口密度は茨城県平均の1.8倍ほど。県南部は東京に近いため、どこも密度過剰です。それでも餌が獲れる里山が残っているためか、フクロウが暮らしてゆけるのでしょう。5月初旬には雛の巣立ちが始まります。

夜に天体観察をしていると、すぐ近くの公園から鳴き声が聞こえたり、飛ぶ姿を見かけます。森を離れて街の中心近くにわざわざやって来るなんて、どんな理由なのでしょうね?これをもって共存してるとは言いがたいですが、ともあれフクロウやアオバズク、あるいはホトトギスの声を聞きながら星を見てると、とても長閑で良い気分になれます。

5月6日の記事で「あやめの季節にアイリス星雲を撮ったらどうかな」と考えましたが、「ふくろう星雲」の名で知られる惑星状星雲M97はまさに今が旬。フクロウ巣立ちの季節にピッタリですね。今日明け方の気温はなんと3度台まで下がって冬のような星空でした。思わずこの淡い星雲に望遠鏡を向けてしまった次第(下A画像)。

フクロウの親
透明度が良かったため、続けて「かんむり座銀河団(Abell 2065)」も狙ってみました(下B画像)。写野中央付近にオレンジ色の胞子のような銀河が密集しています。15億光年も離れているので、銀河ひとつひとつが小さいこと小さいこと…中央だけでなく写野のあちこちに銀河が見つかりますよ。5月5日記事のかみのけ座銀河団(Abell 1656/距離約3.2億光年)とも比べてみてください。 なんかこの光景に既視感あるなぁと思いを巡らせてみたら、あれだ!川面で泳ぐメダカの稚魚を見てる感じ。

湿気が多くて難儀しましたが、思いがけず透明な空に恵まれ、光害の多い街中なのに淡い天体たちを掬い上げることができました。なお、記事内のフクロウ画像は以前に街の保全区で撮影したもの。ふくろう星雲は雛(トップ画像のモフモフ)のほうが似てる?

  • 20190508_M97

    A.ふくろう星雲(M97)
  • 20190508_Abell2065

    B.かんむり座銀河団(Abell 2065)


今日の太陽2019/05/08

20190508太陽
明け方は気温が3.4度まで下がってビックリしました。今朝は東北から九州まで広く冷え込んだようで、気象庁アメダス記録によれば、日最低気温の5月最低記録を更新したところが33ヶ所もありました。朝からはよく晴れていますが、当地・茨城は昼前から6m/sに届くような強い南風が吹き付けています。

20190508太陽リム
左は14:00頃の太陽。活動領域12740に続いて、12471が現れていました。12471の情報は昨日知り、なんとMクラスのフレアも発生したと聞いて是非とも観察したかったのですが、昨日は一日太陽が見えない天気だったのです。

20190508X線フラックス
NOAA-GOESサイトからの引用で、12740が現れた4日から今日5:00UT(14:00JST)頃までのX線フラックスグラフを右に掲載しました。見ると、Cレベルを超える強いフレアが何度も出ていますね。12741付近も活発に見えますが、グラフに現れている幾つものピークはすべて12740だけのようです。(※今日の山はまだ分かりませんが、12741からの発生かも知れません。)

面白い形のプロミネンスなど、何ヶ所か出ていました。まだ後から続くのでしょうか?向こう10日間ほどは目が離せませんね。

強風の空に淡い内暈2019/05/09

20190509内暈
昨夜から今朝はずっと曇り。今朝のうち日差しはあったものの、昼前にはかなりの雲に覆われました。黒点が出ているので太陽観察したかったのですが、夕方まで待っても無理でした。昨日より風が強く、風速7m/s前後、最大で9m/s近くあるようです。

左は11時頃撮影した内暈。これでもかなり強調処理していますが、それでも淡いですね。どうせ出るならくっきりしたものを見たいけれど、天は決して思い通りになりません。