明日朝の満月がブルームーンだって知ってた?2019/05/18

20190518-16434月
昨夕は晴れていて、隣家の屋根向こうに登った月が美しく見えました。満月1日半前ですがほぼ丸に感じます。左は日付が18日に変わって1時間ほど経ったころの撮影。太陽黄経差は約164.34°、撮影高度は約33.5°、月齢12.71。撮影後すぐ曇ってしまいました。月の赤緯が現在はマイナスなので、冬の太陽のように低い位置を日周しています。

この月、明日19日朝6時過ぎに満月となりますが、その瞬間は九州の一部や南西諸島をのぞき月没後になってしまうでしょう。だからまんまるお月様を楽しむのは今夜(18日夜から19日明け方)が向いています。(※19日夜では満月を半日以上過ぎており、月が欠け始まってしまいますのでご注意。満月にこだわらなければ構いませんが…)

ところでみなさんに伺いたいのですが…今回の満月が「ブルームーン」だと分かっている方はどれくらいいらっしゃるでしょう?「え?だって、5月の満月は1回だけじゃないの?」と仰る方は、ブルームーンの定義をもう一度調べ直してくださいね。Wikipediaにも載ってますが、個人的にはMira Houseサイトの星空情報内「ブルームーン」コーナーが詳しくてお勧め。

農事暦で広まったブルームーンの定義、すなわち「二分二至(春分・夏至・秋分・冬至)で区切った季節内に4回満月があるとき、その3回目がブルームーン」というのが本来の呼び方。(※ただし二分二至を農事暦のローカルルールで区切るか、現在の天文学的な定義に従うかでも変わります。)現代の天文暦に従えば2019年春季は春分3月21日から夏至6月22日までですから、この間の満月は3月21日、4月19日、5月19日、6月17日、確かに4回ありますね。

「一ヶ月に2回満月がある時の2回目」という間違ったブルームーン定義のほうが知れ渡ってしまい、その後訂正があったにもかかわらず今もなお使われ続けています。私の探し方が悪かったかも知れませんが、ここ数ヶ月の天文・暦関連情報を注視していたけれど今夜のブルームーンに触れた国内記事はひとつも見かけず「完全スルー状態」でした。(ちなみに海外サイトなら幾つもありました。)“誤用のブルームーン”の場合だと「中秋の名月」に肩を並べるくらい何十件もの記事に取り上げられるのに…。この国特有の右へ倣え的集団心理的なのでしょうか?間違いと分かってるのにノーと言えない日本人、誰に忖度してるのやら?それとも本当に知らないだけ?

閑話休題、昨夜も月面をアップで堪能しました。満月直前なので欠け際が狭いですが、北から南に向かって掲載しておきます。A画像は昨日も撮影した虹の入り江から西側。ちょうどリュンカー山が見えていたので一緒に撮影しました。この溶岩ドーム群はなだらかなせいか、日が少しでも高いと全く見えなくなる不思議な山です。B画像は嵐の大洋西側付近。ケプラーの光条からグリマルディ、ヘヴェリウス、カヴァレリウスあたりまで。このエリアはクレーターの名残である「Ghoast Crater」がたくさん見つかります。そう言えば今朝は月面Aデーでしたが、月没頃の出現だったためB画像(夜半前撮影)には全く写っていません。

  • 20190517リュンカー山

    A.虹の入り江からリュンカー山
  • 20190517ケプラーからグリマルディ

    B.ケプラーからグリマルディ


C画像は昨日も撮ったシラー付近。月齢が1日進んだので、昨日見えなかったバイイに光が当たり始めました。秤動はバイイ観察に不向きでしたが、それでも大きく広がるクレーターが良く見えています。またシッカルドの南にあるワルゲンチンはクレーター内が溶岩で埋まってしまっている様子が良く分かりますね。D画像は昨日メインで狙った南極付近。ここは月齢1日程度で変化が出にくいですが、辛うじて見えるスコットやアムンゼンが昨日よりも潰れてしまったので、秤動の有り難みはよく分かります。

九州から四国にかけて雨が降り出しているようで、当地・茨城も明け方から雲の多い空。もし今夜の満月が拝めそうな地方があれば、貴重な「正当派ブルームーン」を楽しんでくださいね。

  • 20190517シラー付近

    C.シラー付近
  • 20190517月面南極付近

    D.南極付近


参考:
アーカイブ「満月とブルームーンの一覧」

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