南半球にトリプルサイクロン発生中 ― 2019/03/20
つい先日に南半球で発生したサイクロン「IDAI」が迷走後にアフリカ南部を襲ったことは記憶に新しいですが、今日現在、気象衛星ひまわりから見える範囲でも、なんとトリプルサイクロン状態になっています。
左は本日12:00JSTの気象衛星画像(画像元:NICT/画像処理・地図等は筆者)。三つのサイクロンは発生順に「SAVANNAH」「TREVOR」「VERONICA」の名が付けられました。
JTWC(Joint Typhoon Warning Center)によると、「SAVANNAH」は3月14日0:00UTに熱帯低気圧からサイクロンへ成長し、今日はだいぶ衰えてきました。いっぽう三番目の「VERONICA」は19日12:00UT(日本時間昨夜21:00)にサイクロンになったばかり。「TREVOR」と共にオーストラリア北部に接近または上陸しており、明日21日には最大風速が100ノットを超す予報も出ています。なお気象衛星ひまわりから見えない西側海域に、もうひとつサイクロン候補の低気圧が発生しています。
国連によると先日の「IDAI」による被災者は各国総計で260万人以上にのぼり、南半球の気象災害史上最大とのこと(→国連ニュース)。日本の都道府県で人口が260万人より少ない所は35もありますから、「自分の県全員が被災!?」と考えればサイクロン「IDAI」の災害規模が異常過ぎるのは分かるでしょう。
小さな島国が多い、十分に防災対策がなされていない居住区が脆い土地や海岸近くまで点在する、いったん被災すると容易にインフラが崩壊し疫病が蔓延、復旧財源もすぐ枯渇する、生活経済の拠り所が自然相手の一次産業のみ…。このような南半球に多いお国の事情が事態を更に悪化させるのでしょう。今回のトリプルサイクロンも、どうか被害が最小限で済むよう願うばかりです。