月とプレセペ星団が大接近2019/03/18

20190318月とプレセペ星団の接近
昨夜から今日明け方にかけて空を飾った月は月齢が11ほどあって、かなり眩しいものでした。天文現象カレンダーなどを見ない状態で、月のすぐ側にあった「プレセペ星団(メシエ天体・M44)」の存在に気がついた方はいらっしゃるでしょうか?左画像は日付が18日になってすぐのころ撮影したもの。月の右上にある暗い星々の集合がプレセペ星団です。多段階露光により、明るい月から暗い星団までを1枚の画像に圧縮コンポジットしました。

月と星団の接近現象を知っていて見るのと、知らないで気が付くのとは文字通り天と地ほどの差があります。プレセペ星団の視等級は約3等星と言われますが、一ヶ所だけ光る星と違って面積があるため、3等級の恒星よりずっと暗く感じます。それでも月のない夜なら、よほどの光害地でない限り肉眼で観察可能です。でも月が側にあると星が綺麗な土地でさえ発見は困難になるでしょう。たまたま月の通り道にある星団ため、接近現象自体は頻繁に起こっているんですけどね。

月の視赤緯変化
少し長い目で見ると、月の見かけの通り道は年々緩やかに変化します。天の赤道に対して月の赤緯がどう変化するのか、2010年初めから2030年初めまで計算してみました(右図)。約1ヶ月に一回地球を回る際の南北移動をくり返しつつ、到達赤緯の「幅」が波打ってますね。対して、恒星や星団の位置は50年、100年程度で大きく変わりません。このため、プレアデス星団・プレセペ星団・アンタレスなどの到達赤緯幅の縁に近い天体は、月が接近しやすい時期と全く接近しない時期とが存在するのです。

なお右図を見ると毎月のようにプレセペ星団と月とが接近するように思えますが、「それが日本の夜に見えるとは限らない」ところがミソです。また接近するとしても「どんな月齢かはその都度異なる」こともポイント。例えば今年1月22日はほぼ満月状態での接近でした。また二ヶ月半後の6月7日夕方には四日月の大接近になります。接近する星団がM44やM23など暗い場合、月齢によって星団の見やすさもがらっと変わるので、様々なシチュエーションをお楽しみください。

参考:
奇跡的に楽しめた皆既月食(2018/02/01)……皆既月食中の月とプレセペ星団の接近
晴れるかな?もうすぐアルデバランの掩蔽(2015/07/09)
M23の掩蔽時期はいつ?(2015/02/19)

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