モザンビーク海峡で猛烈に発達するサイクロン「IDAI」2019/03/12


20190311サイクロンIDAI
マダガスカル島近くでは発達したサイクロン「IDAI」が猛威を振るっています。左は昨夜に地球観測衛星Aquaが撮影したサイクロン「IDAI」。渦が半分覆い被さっている島がマダガスカル。左側はアフリカ・モザンビーク付近です。

ずっとJTWC(Joint Typhoon Warning Center)のデータや予報を追っていたのですが、このサイクロンの大元はモザンビークの陸上にあった低気圧です。しばらく陸を這っていましたが、3月9日に海上へ出た途端に強まり、昨日は最大風速125ノットに達する予報が出ていました。今日の予報では少し落ちていますが、それでも100ノット越えは確実のようです。

11日まで東進し、そのままマダガスカル上陸かと思われましたが、急に西進に転じ、100ノット以上の風速を保持したまま再度モザンビークへ上陸する模様。極めて珍しいコースと思われます。

赤道以南で発生するサイクロンは北半球と同じように赤道から少し離れたところに発生場所が集中します。下A図はJTWCが公開しているベストトラックを元に熱帯低気圧が最大風速34ノットに達した位置をプロットした地図。広い海洋はもちろんのこと、例えばモザンビーク海峡のような狭い場所でも海が暖かければサイクロンが発生することが分かりますね(下B図参照/NOAA資料から引用)。ここは南緯15度から25度にかけての海峡なので、北半球で言うとルソン島から台湾くらいの位置に相当します。なお海面温度は南北非対称なのでご注意を。

下C図はマダガスカル島近海について、更に詳しくプロットしたもの。サイクロン番号と共に、そのサイクロン存在中に到達した最大風速も書き込みました。モザンビーク海峡に注目すると、115ノットとか130ノットといった強大なサイクロンがごく稀に発生することがあったようですね。しかしながら陸由来のサイクロンはかなり特殊ではないでしょうか。

  • 南インド洋サイクロン発生位置

    A.南インド洋サイクロン発生位置
  • 20190310SST

    B.海面温度(2019.3.10)
  • マダガスカル島付近のサイクロン

    C.マダガスカル付近サイクロン発生位置


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