雨上がりに暗い彗星をふたつ観察2019/03/08

20190308ウェスト・ハートレー彗星(123P)
昨日は雨が一日降ったり止んだり、宵まで続きました。夜半には少しずつ雲が取れ、気温が2度まで急降下。その割に強い結露は発生していません。明け方には晴れるに違いないと判断し、急きょ濡れた地面に機材を組み上げました。2時くらいまで度々雲に邪魔されましたが、その後は冬のような澄んだ星空になり、彗星をふたつ観察できました。

まずはウェスト・ハートレー周期彗星(123P)。現在おおぐま座の後ろ足付近にあって、約12等の光度ピークを過ぎたところです。左画像のように、ややカールしたV字型の尾がしっかりと確認でき、彗星らしい姿ですね。

20190308アフリカーノ彗星(C/2018W2)
もうひとつはアフリカーノ彗星(C/2018W2)。昨年11月末頃発見された彗星で、今年晩秋には10等程度まで明るくなると期待されています。現在は天の北極近くにあり一晩中観察できますが、まだ16等台と暗いため、写真写りも悪いですね。赤道儀での手動導入にとても苦労する位置です。

右画像の通り、こちらは尾が見えずコマの広がりも感じません。それよりも奇妙だったのは予報位置から結構ずれていたことです。発見からかなり経ってますが、軌道要素の改良が進んでないのでしょうか?いまのところ今年これから明るくなる彗星がないため、時々こうした小さな彗星にも目を向けてあげましょう。

今日の太陽と濃い花粉光環2019/03/08

20190308太陽
昨日は一日天気が悪かったのですが、今日は明け方からよく晴れています。

20190308太陽リム
左は10:20過ぎの太陽。嬉しいことに黒点を伴う新たな活動領域12734が中央少し上にできました。昨日にはもう観測報告を知ってはいたのですが、やはり自分の目で確かめることが楽しみですからね。また右下リムに大きなプロミネンスが突き出ています。右画像ではやや淡いですが、左上リムにも同程度の高さのプロミネンスが出ているようです。

20180308花粉光環
昨日は雨、今日は晴れ、と来たら、やはりスギ花粉光環が出てしまうのは必然でしょう。しかも、かつて無いほど非常に濃いようです。

右画像の右半分は青空光を減じて見やすくしてありますが、なんと光環の赤色部分が四重目の環まで確認できます。「今日は濃いなぁ」と言う日でもほとんどが三重止まりなので、四重目まで見えることは滅多にありません。見ているだけで苦しくなります…。

ポケットにしまいたくなるお月様2019/03/08

20190308夕空の月
日没を迎えた今夕の空は、春だというのに150km離れた富士山が確認できるほど澄んでいました。低くなる前に夕空へ回った月をひと目見ようとベランダに出たら、明るい中にもうはっきり見えていました。撮影時の太陽黄経差は18.8°、撮影高度は12.1°、月齢は1.71です。ポケットにそっとしまいたくなるような、素敵な月ですね。

一昨日6日に二十四節気の啓蟄を迎え、地球があと15°公転すれば1年の区切りである「春分」を迎えます。またお月様も昨日夜中のうちに新月を迎え、昨日の夕方から夕空に顔を出し始めました。春のひと区切りは、なんだか意味もなく襟を正したくなります。

ところで四立ではなく、二分二至を季節のひと区切りとする見方があります。ひと区切りは約三ヶ月ですが、この間に四回満月になることがごく稀にあって、その時の三回目を「ブルームーン」と呼びます。よく知られている「一ヶ月内に二回満月になる場合の二回目」という定義は間違いで、この「各季節に四回満起こった場合の三回目」という定義のほうが正しい説のようです。尤も、当サイトでは文化的な定義の正誤ならあまり神経質にならずに何でも楽しもうという考えなので、アーカイブ「満月とブルームーンの一覧」には両方の定義に従ったブルームーンの日を掲載しています。

2019年の春季、つまり春分から夏至前までに起こる満月は3月21日、4月19日、5月19日、6月17日の四回ありますから、5月19日の満月はブルームーンと言うことになるでしょう。この春はどんな月景色が楽しめるでしょうか?楽しみですね。