口永良部島で大きな噴火発生2019/01/17

20190117-0040UT気象衛星からの火山灰
鹿児島の南にある口永良部島で本日17日9:20ごろ大きな噴火があったと報道がありました。小規模な噴火は昨年にも何回かありましたが、大規模と形容されるのは2015年5月29日以来です。このときは全島民が島外へ避難する事態となりました。今回も火砕流が発生したとのこと。幸い、今のところ人的被害は出ていないようです。

右画像は噴火直後の9:40に撮影された気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。噴火20分ほどで西風に乗った火山灰は雲頭頂まで達しながら、屋久島北部や種子島近くの馬毛島まで到達しているのがわかります。実際に屋久島や種子島で降灰があったとのニュースも流れました。明日はイプシロンロケットの打ち上げ予定日ですが、種子島ではなく鹿児島県肝付町(内之浦宇宙空間観測所)からリフトオフなので、影響はないでしょうかね?

20190117口永良部島噴火ライブカメラ
左画像は気象庁サイトからの引用で、口永良部島に設置されている火山監視ライブカメラ。上から噴火直前、噴火直後、噴火1時間後、2時間後、3時間後です。(縦長の見づらい画像で済みません。)よく観察すると、中央やや右にあるモコッとした山の山頂がえぐれており、山麓に大きな岩が転がっているようです。つい先月にインドネシアのスンダ海峡で山体崩壊による大規模津波が発生したばかりで、どうしても発想が悪いほうへ流れてしまいますね…。

口永良部島地図
ご存じの方も多いでしょうが、口永良部島の北には薩摩硫黄島や竹島を北限とした巨大な「鬼界カルデラ」が海底に眠っています。縄文時代に起こったとされる大噴火は、このカルデラを作り出すと共に当時の南九州文化を壊滅させたとさえ言われます。「一度起こったからもう大丈夫」などとは言えない、いわば爆弾を抱えているような地ですね。

もちろんこの地域に限らず、日本全体が火山や地震、津波のリスクにさらされています。「火山や海岸から離れてるから安全」と思っていても、別の地でライフラインが壊滅するほどの災害が起きたら、長期停電、道路寸断、輸送困難、食糧や日用品不足など全国土に影響するでしょう。阪神淡路大震災も東日本大震災も、予告なくやってきました。私はいま地震の巣と呼ばれる関東の一角に住んでいて、数日前にも直下型の大きな地震がありました。常に緊張していたら身が持ちませんが、いざというときすぐ適切な行動ができるような「身構え」は必要でしょう。今回の噴火で大きな被害が出ないことを祈ります。

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