小惑星が尾を伸ばす!?2019/01/10

20190110小惑星Gault
昨夜から今朝にかけてとても冷え込み、またしてもマイナス6度の壁を下回りました。マイナス4度以下になると星空の透明度が格段に良くなります。こういうときのため、普段街中では滅多に撮れないような難しい天体を幾つもリストアップしておくのです。

昨夜も予定していた天体があったのですが、夕方になって星仲間のかすてんさんから「小惑星Gault(番号06478)から尻尾が生えてきたらしい」というニュースが舞い込みました。ふつう小惑星に尻尾は生えてません(笑)。でも時折彗星のような活動を見せる小惑星も知られています。2017年12月にも小惑星エケクルスが彗星状に見えた時期がありましたね。

今回もその様な遷移天体なのか…と調べてみたら違った!なんと、別の天体が衝突したことで、破片(?)が尾のように見えているらしいのです。そもそもGaultのようなメインベルトを周回する小惑星は太陽に近づかないから、「表面が暖められて揮発性物質が云々…」という流れにはなり得ないはず。とても珍しいのでぜひ撮影したい…しかしながら小惑星Gaultの光度は18.7等。これはいつもなら確実に諦めている光度でした。ラッキーなことに、使ってみたかった光害カットフィルターが昨日届いたばかりだったので、ダメ元で撮影してみることにした次第。写らなくてもフィルターの耐久試験になるし、途中で明け方に登る岩本彗星(C/2018Y1)に切り替えても良いし…と、気軽に開始しました。

20190110岩本彗星(C/2018Y1)
結果は左上画像の通り。虫ピンのような細い姿をした彗星状の天体が写ってくれました。左下が頭部で、尾だとはっきり分かる範囲の長さは約3.9′角でした。これがもともと小惑星だなんて、なんとも不思議です。ぶつかって尾が伸びる瞬間を見てみたかった…。今後いつまで尾が続くのか、興味をそそられますね。

明け方少しだけ時間が余ったので、岩本彗星も撮影しました(右画像)。透明度が良い空ではコマの裾野までよく見えますね。来月の今頃が楽しみです。

参考:
岩本彗星(C/2018Y1)に関係する記事(ブログ内)

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