貴重な晴れ間に彗星と超新星を観察2018/11/28

20181127ウィルタネン周期彗星(46P)
昨日午後から今朝にかけて、久しぶりに良い天気となりました。またすぐ崩れてしまう予報ですから貴重な晴れ間。駆け足気味にいくつかの天体を観察しました。

まずは動向の気になるウィルタネン周期彗星(46P)。10月18日の記事の通り、計算上はそろそろ肉眼光度に達しています。ずっと南に低かった位置もずいぶん北上して、10月頭の位置より高くなりました。

昨夜は昼間に暖められた水蒸気が気温の低下で一気に結露し、そこへ下弦前の月明かりが降りそそいでいたため条件は良くありません。でも撮影してビックリ。左画像の通り大きく広がった緑色のコマが画像縦の半分以上を占めているではありませんか。これは12月の肉眼光度に期待できそうですね。わずかながらダストの尾も11時方向(北北東)に伸びているのが分かります。

20181127スイフト・ゲーレルス彗星(64P)
西空高くスイフト・ゲーレルス周期彗星(64P)も見えていたので撮影しました。11月頭頃はM31アンドロメダ銀河と並んで撮影できましたが、ここ数日はさんかく座にある大きな銀河M33と一緒に撮影できるでしょう。(機材交換が面倒なので昨夜は諦めましたが…。)

この彗星はまだまだ明るさを保っており、コマもはっきり分かります。夕方暗くなったらすぐ探せるので、夜更かししなくても楽しめる天体のひとつですね。

20181127_SN2018ivc in M77
最後はくじら座にある銀河M77(NGC1068またはくじら座A)に今月24日発見されたばかりの超新星2018ivc。14等台の明るい光度を保っています。もっと早く撮影したかったけれどずっと天気が悪かったのでした…。

この銀河は中央の渦自体が明るく、低倍率の望遠鏡で見るとぼやけた恒星のような印象を受けます。左画像は渦を巻いていると分かりますが、実は更にその外側に巨大な円盤状の渦巻き(ハロ構造と呼ばれます)があって、これを写し取るのは至難の業。光害地では左画像が精一杯です。画質は悪いですが、10月10日の記事に同じM77がありますから見比べてみてください。(画像の向きが90°違うのでご注意。)

この後機材を片付けていると、周囲がみるみる霧に覆われ、3時以降は100m先も見えないほどの濃霧になりました。それまでに何とか撮影を終えていたのでギリギリセーフ。

参考:
ウィルタネン周期彗星(46P)に関係する記事(ブログ内)

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