今日の太陽と久々の明るいクロイツ群彗星2018/11/25

20181125太陽
ここ二日ほど本州は概ね晴れているのに、なぜか当地・茨城県南部を含む関東の南東側はずっと雲がかかっていました。今日になってようやく晴れ間が戻ってきつつあります。

20181125太陽リム
左は10時頃の太陽。活動領域はありませんが、いくつかの太陽観測画像を見ると中央近くにやや活発なエリアが存在するようです。左下には大きなプロミネンスが見えました。左上にも少し見えています。

ぼちぼち木星が合を迎えるので、いつものように太陽観測衛星SOHOの画像を見るとビックリ仰天!立派な彗星が写っていました。(ついでに水星も写ってました。)下画像はSOHOのLASCO-C3カメラ(写野16°程度の広視野)およびC2カメラ(写野6°程度の狭視野)の画像。記録されている日時は世界時なので、日本時間で本日6時台の撮影です。調べた範囲では現時点でこの彗星の詳しい情報はありませんでしたが、少し前からSOHOの写野に写っており、報告もありました。ほぼ毎日見ていたのに気付かなかったぁ…

太陽に異常接近する彗星を「Sungrazing Comet」などと表現しますが、このような彗星は元々ひとつだったものが分裂したと考えられ、研究したドイツの天文学者ハインリヒ・カール・フリードリヒ・クロイツさんの名を取って「クロイツ群(Kreutz Sungrazers)」と言われます。かつて静岡の池谷薫さんと高知の関勉さんが発見した池谷・関彗星(C/1965 S1)はクロイツ群のひとつとされます(→wiki参照)。クロイツ群の彗星は太陽に極めて近くなるため増光が大きく、昼間でも見える(金星より明るい)ことがしばしばあったようです。

  • 20181124-2118UT-LASCOC3

    LASCO-C3カメラ
  • 20181124-2124UT-LASCOC2

    LASCO-C2カメラ


SOHOが観測を始めた頃からこうした彗星がたくさん発見されるようになり、ひっくるめてSOHO彗星などと呼ばれます。太陽に近すぎて地球から観測できないレベルの彗星もSOHOなら写し取ってくれますからね。今日までにSOHO画像から発見された彗星の数はクロイツ群以外も合わせてなんと3398個!

上の画像にある彗星は木星より少し暗い推定1等級なのですが、地上のどんな望遠鏡でも見ることは不可能でしょう。かなり明るく、立派な尾まで伸ばしていますので、向こう数日内の動向に大注目です。なお話題のマックホルツ・藤川・岩本彗星(C/2018V1)も地球から見て太陽のそば(北側約20°前後)を東進中で、向こう1週間ほどは朝も夕も見えません。

参考:
太陽近くを通過したマックホルツ彗星と台風明けの彗星たち(2017/10/30)
太陽近くを通るエンケ彗星(2017/03/11)

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