2018年の台風29号が発生 ― 2018/11/23
20日ごろフィリピンを通過して南シナ海へ出た熱帯低気圧は、海上で暖められて発達し、22日21時に台風29号「ウサギ/USAGI」になったと気象庁から発表がありました。直前の台風28号発生から2日経っており、28号はまだ活動中なので、現在はダブル台風状態です。
左は発生から3時間経過した23日0時の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。夜間なので赤外線の白黒画像です。赤点円は各台風中心の直径1000km円で、左が29号、右が28号。28号はこの画像時点で「強い台風」クラスへ達しています。やや迷走した予報ですが、今後は南西諸島へ接近し、その後場合によっては本土へも接近する可能性があります。11月最後の1週間、あるいは12最初の1週間、はたしてどうなるでしょうか。
29号の日本への影響は無さそうですが、24日頃にベトナム南部へ上陸する見込みとのこと。ここは18日ごろ台風27号が接近したのと同じ場所で、土砂災害の上塗りが心配です。
なお29号の「ウサギ」の名称は日本提案のもので、冬の宵空を飾る星座のひとつ「うさぎ座」が由来です。台風命名法が変わった2000年以降では、これまでに2001年10号、2007年5号、2013年19号の各台風にUSAGIの名が付きました。
うさぎ座はオリオン座の足元に位置していますが、暗い星が多いため街中で探すには小型の双眼鏡が必要かも知れません。星々を見つけてしまえば「なるほど、ウサギに見える」と納得するような素晴らしい配列なので、知らないのがもったいない星座です。
ウサギの鼻先には深紅の長周期変光星で有名なクリムゾン・スター(R Lep)があります。今年8月頃に6等台の最大光度を迎えた後、現在は8等台まで落ち、なおもゆっくりと減光中です。(右はステラナビゲーターによるオリオン座とうさぎ座。)
マックホルツ・藤川・岩本彗星が低くなった ― 2018/11/23
昨日は雨のち曇り。そのまま夕方まで雲が多かったものの、日が暮れる頃には美しい月夜となりました。とは言え、間もなく満月なので淡い天体撮影はお休みです。
ところで、マックホルツ・藤川・岩本彗星(C/2018V1)が明け方に昇る時間帯が完全に薄明開始後となりました。我が家から隣家の建物が邪魔をして、屋根から顔を出すまでに夜が明けてしまいます。
今朝は明け方まで月が煌々としてましたから、大きな機材を準備したところでたいした露出もできません。ですから、小さなカメラを持って見晴らし良いところまで出かけることにしました。折しも星仲間のかすてんさんが21日に望遠鏡を使わないデジカメ単体撮影でうまく写らなかったようなので、ではどれほどの条件なら写るのか実際に確かめたかったというのが本音です。理屈より実践あるのみ!
左上画像は105mmレンズ+APS-Cの画角で捕らえたC/2018V1。上が天頂方向で、撮影高度は10°あまり。緑のコマが小さく写っていますね。わずかに面積があるため正確な比較はできませんが、周囲の9等台の恒星と同程度の全光度と思われます。画面右端には準惑星セレスも写っていました。なお色を強調したため、恒星周囲の赤い色収差が濃く出ています。
同一機材で撮影した金星とスピカの接近が右画像。だいたいこれくらい拡大しないとこの彗星ははっきりしないと言うことが分かるでしょう。また写ったとしても1コマのみでは画素ノイズやブロックノイズに揉み消されてしまうため、多数撮影→コンポジットで均す必要があります。左上画像は20コマをコンポジットしました。
これは12月に入り夕空に現れた後でも言えることです。よほど明るい大彗星にならない限り、短焦点のカメラで大きくはっきり写ることはありません。180mmレンズでも撮影しましたが、こちらは面積を持った天体として写りました。ただフレーミングに失敗し、画面の端っこに追いやられていました…。残念。明け方の慌ただしい中であれもこれもと欲張ると失敗を誘発しますね。
ところで、マックホルツ・藤川・岩本彗星(C/2018V1)が明け方に昇る時間帯が完全に薄明開始後となりました。我が家から隣家の建物が邪魔をして、屋根から顔を出すまでに夜が明けてしまいます。
今朝は明け方まで月が煌々としてましたから、大きな機材を準備したところでたいした露出もできません。ですから、小さなカメラを持って見晴らし良いところまで出かけることにしました。折しも星仲間のかすてんさんが21日に望遠鏡を使わないデジカメ単体撮影でうまく写らなかったようなので、ではどれほどの条件なら写るのか実際に確かめたかったというのが本音です。理屈より実践あるのみ!
左上画像は105mmレンズ+APS-Cの画角で捕らえたC/2018V1。上が天頂方向で、撮影高度は10°あまり。緑のコマが小さく写っていますね。わずかに面積があるため正確な比較はできませんが、周囲の9等台の恒星と同程度の全光度と思われます。画面右端には準惑星セレスも写っていました。なお色を強調したため、恒星周囲の赤い色収差が濃く出ています。
同一機材で撮影した金星とスピカの接近が右画像。だいたいこれくらい拡大しないとこの彗星ははっきりしないと言うことが分かるでしょう。また写ったとしても1コマのみでは画素ノイズやブロックノイズに揉み消されてしまうため、多数撮影→コンポジットで均す必要があります。左上画像は20コマをコンポジットしました。
これは12月に入り夕空に現れた後でも言えることです。よほど明るい大彗星にならない限り、短焦点のカメラで大きくはっきり写ることはありません。180mmレンズでも撮影しましたが、こちらは面積を持った天体として写りました。ただフレーミングに失敗し、画面の端っこに追いやられていました…。残念。明け方の慌ただしい中であれもこれもと欲張ると失敗を誘発しますね。