マックホルツ・藤川・岩本彗星の初観察2018/11/15

昨夜から今朝は天気予報通りよく晴れ、よく冷え込みました。月は22時頃に没し、安定した暗夜です。こういうときこそ淡い天体ということで、現在日本から見えるトップ4の彗星たちを写してみました。

  • 20181114_スイフト・ゲーレルス彗星(64P)

    A.スイフト・ゲーレルス彗星(64P)
  • 20181114_ウィルタネン周期彗星(46P)

    B.ウィルタネン周期彗星(46P)


まず日付が15日に変わる前までに、スイフト・ゲーレルス彗星(64P)とウィルタネン周期彗星(46P)に挑戦。46Pは四つの中で一番明るいのですが、最南でもあります。光害のない山などに出かけられない私は狭苦しい住宅街から撮影するため、南側に建物の隙間があって彗星ができるだけ長時間横切る場所を探さなくてはなりません。今回は特にシビアで、文字通りセンチメートル単位で機材設置場所を調整しました。設置完了後、先に上空に見える64Pを撮影。その後46Pが建物から見え始まる時間までに望遠鏡を向けておく「出待ち撮影」を行いました。46Pが見えている時間はわずか30分強。1分でも長く撮影するため出待ちが必要なのです。(※自動導入などではなく全て手動。)

あまり期待はしてなかったのですが、64P、46Pともコマがとても大きくてビックリ。空の良さもあったでしょうが、特に46Pは想像以上でした。南半球で撮影された海外画像を見ると少なくとも1.5°を越えるイオンテイルが確認されています。上画像ではイオンテイルはよく分かりませんが、ダストテイルらしき尾の偏りが上方に向かっています。これから更に明るくなるので、本当に肉眼で見えるかも知れませんね(→関連記事)。

  • 20181115ステファン・オテルマ彗星(38P)

    C.ステファン・オテルマ彗星(38P)
  • 20181115_マックホルツ・藤川・岩本彗星(C/2018V1)

    D.マックホルツ・藤川・岩本彗星(C/2018V1)


日付変わって15日明け方前。今度は発見されたばかりのマックホルツ・藤川・岩本彗星(C/2018V1)を狙います。これも46P同様に低空で出待ち撮影しないとすぐ朝になるので、またしてもセンチメートル単位で機材設置場所を調整しなくてはなりませんでした。狭いアパートの駐車場ですから苦労の連続です。

場所を調整してから、あらためて上空の38Pを撮影しつつC/2018V1の登場を待ちました。ピークを過ぎているはずの38Pも、透明度が上がると立派に写りますね。位置も良いのでまだまだ行けそう。短いけれど西向きの尾がよく見えます。

C/2018V1は初撮影。尾が長く伸びているとのことで東に寄せてフレーミングしたのですが、思っていたほど尾は明るくありませんでした。よくよく見ると2時の方向にイオンテイルが長く伸び、3時から4時の方向にはダストテイルが短く広がっています。移動が速くて焦りました。日々高度が下がるため、明け方に観察できるのはあと数回あるかどうか…(→関連記事)。できるだけがんばってみようと思います。

参考:
ウィルタネン周期彗星(46P)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2018/11/15

20181115太陽
明け方は近くのアメダスポイントで気温3.6度という寒さでしたが、とてもよく晴れました。朝からもずっと透明度の良い青空が広がっています。

20181115太陽リム
左は10時頃の太陽。活動領域はありませんが、相変わらず中央付近に小さな黒点群があります。長年太陽観測を続けていらっしゃる星仲間の方から「新しい太陽周期が始まる兆候かも知れないという話がある」と伺いました。終わりか始まりかはっきりしないところはありますが、次なる周期も元気な太陽であってほしいですね。