かなり北上したハリケーンWALAKA2018/10/08


20181002-1200気象衛星ひまわり
今日は二十四節気の寒露。台風25号が日本海で温帯低気圧になるタイミングに重なったこの連休、全国的に高温と強風に見舞われたものの、今日現在日本の近くに台風はなく、夏から続いた嵐の季節も一段落となっています。

ところで台風25号と時を同じく活動していたハリケーンWALAKAもCentral Pacific Hurricane Center(CPHC)の観測更新が6日15:00UTで終了しており、嵐としての構造はなくなったものと思われます。左は10月2日にも掲載しましたが、一番強かった頃の台風25号とハリケーンWALAKA(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。下A図はCPHCのデータを使って描いたWALAKAの最大風速変化グラフです。

WALAKAはハワイの南を西進したあと急に北へ向きを変えたので、奇異な動きに興味をそそられてしばらく追いかけていました。ハリケーンからトロピカルストーム(最大風速34ノット以上63ノット以下)へ勢力を落としてもまだ北上を続け、進路予報図にアラスカが見えた時はさすがに驚きました。

日本へ近づく台風は東北や北海道までやって来ますから、北緯40°以北に達することがしばしばあると分かります。ですが、太平洋中央や東側で発生するハリケーンはあまり北上しません。下B図はJoint Typhoon Warning Centerによる1960年以降2017年までのベストトラックを元に、トロピカルストーム以上の勢力が記録された全1128個の嵐がどこまで北上したか調べたグラフ。太平洋側(東経180°以東)および大西洋側と分けて集計したので、海域により特性が大きく異なると分かるでしょう。

北緯30°以北までの北上は大西洋側で65.8%あったのに対し、太平洋ではわずか4.3%。北緯40°以北なら大西洋側38.4%、太平洋側1.1%。WALAKAの最終記録は北緯36.2°でした。この時点で風速はまだ45ノットあったので、風速だけならまだまだトロピカルストームの範疇でした。いやはや、今年もアウトローな嵐が目立ちますね。

  • 2018年ハリケーンWALAKAの最大風速変化

    A.2018年ハリケーンWALAKAの最大風速変化
  • 北半球ハリケーンの到達緯度

    B.北半球ハリケーンの到達緯度


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