補給船こうのとりの打ち上げ2018/09/23

20180923-H2Bロケット打ち上げ
今朝方にH-2Bロケット・7号機の打ち上げが行われ、国際宇宙ステーション(ISS)の補給物資を積めたコンテナ衛星「こうのとり7号」の切り離しまで順調に進みました。JAXA発表の正式な打ち上げ時刻は9月23日2:52:27JSTとのことです。

左は中継ライブのキャプチャ。リアルタイムで視聴していましたが、夜の闇にスポットライトを浴びてたたずむロケットが実に幻想的でゾクゾクしました。

ただ、見ている側は良いとしても、現場で働いている人を考えるとなかなか気の毒です。四度の延期に加えて夜中過ぎの打ち上げは人の労働環境としてどうなのかなぁと感じました。色々タイミングがシビアなことは百も承知ですが、働き方改善が叫ばれてる昨今ですからねぇ…。以前若い頃にソフトウェア技術員として一度だけ夜(夕方)の打ち上げスタッフに加わったことがありましたが、夜勤だからと言って昼間ゆっくり寝ていることもできず、かなり胃が痛い思いでした…。もちろんリフトオフ後も数日は家に帰れません。

20180923-国際宇宙ステーション
半日以上経った今夕には、さっそくISSが良い条件で上空を通過する幸運に恵まれました。でも夕方まで晴れていたのに、日没後みるみると雲が増してゆき、やがて惑星すら見えなくなりました。

飛行方向である北東の空のわずかな雲間に望みをかけていたところ、チラチラと輝くISSを確認することができました(右画像の明るい線がISS/5秒露出+1秒休みを3コマのみ合成)。背景はうしかい座(略称:Boo)です。補給船こうのとりと並んで飛んでるところを見たかったけれど、さすがに見えず…。(そもそもドッキングがいつなのか知りませんが…。)ISSは明日も通過(なんと、当地では天頂通過!)、明後日も低空ながら見えそうなので、晴れたら目を向けてみましょう。

ところで話は戻りますが、実はロケット打ち上げも見えないかと夜中に目を凝らしていました。今回のように種子島から南東へ向かう打ち上げの場合は西日本の太平洋側はもちろん、関東圏でも低空に姿を見つけられる可能性があるのです。

H2B飛行ルートシミュレート
左は今回のフライト計画から主なイベントの座標と高度を読み取り、カシミールというソフトで景観表示させたもの。画像右辺に高度、上辺に方位角(南=180°、南西=225°、西=270°)が描いてあります。

発射から第2エンジン燃焼終了まで4点しか設定してないためカクカクのルートですが、実際は滑らかに遷移します。マークしてある要所は必ず通るため「地平線下に沈んでいて全く見えない」ということはないわけです。忙しくて種子島に行けなくても、本州の南側にお住まいなら辛うじて見物できるのです。ご存じでしたか?

このシミュレーションは茨城県水戸市・県庁地面という設定ですが、低空のコンディションさえ良ければビルの屋上などから見通せますね。あとは、ロケット側の目印…たとえば噴射の炎や噴煙だとか、太陽反射だとか、はっきり目にとまる事象が起こってくれれば視認できる可能性がアップするでしょう。時々上空の噴煙がたなびき、不思議な印象の「ロケット雲」が目撃されています。今朝は雲が多くて全く見えませんでしたが、次のチャンスにはみなさんも狙ってみてください。(※H-2A・37号機のように西へ飛ばすタイプの打ち上げは見えませんのでご注意。)



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