インド洋南半球側でもサイクロンシーズン始まる2018/09/16


20180916-0600UTインド気象衛星
台風22号はいまだ衰えず、本日16日午後になっても「大型で強い」勢力です。ゆっくり弱まりつつあるとは言え、本日15時頃に最接近している香港や、24時間後に接近するハノイ周辺など大きな被害が予想されますね。

左は気象衛星INSAT3Dが15:00に撮影した可視波長の画像(インド気象局からの引用/インサート地図・経緯度線等は筆者)。右上に台風22号が見えていますが、実はもうひとつ、中央少し左下にTropical Cyclone「ONE」が発生しています。赤点円は各嵐が中心で、22号のほうは直径2000km円、ONEのほうは1000km円。当記事の主役はONEのほうです。このONEというのは台風などに付けられる固有名ではなく、いわば仮番号のようなもの。今後発達すれば名前が付くし、萎んでしまえばこのままです。でも9月にONEって随分遅い気がしますよね?

ご存じの方も多いでしょうが、北半球と南半球とでは台風の発生ピーク時期が全く違います。気象庁が監視する東経100−180度・北緯0−60度内の台風発生数は2月が最も少なく、8−9月にかけてピークを迎えます。ではTropical Cyclone「ONE」が発生したインド洋の南半球側はどんな分布でしょうか?北半球と共に月毎の統計を取ったのが下のA・B図です。スケールを合わせてあるので、度数も含めて比較できます。

インド洋の南半球側では6−8月がもっとも低迷期で、日本が冬の時期に大きなピークがあります。このため、ベストトラックデータの年まとめは7月開始・翌年6月終了といった区切り方もあるほどです。今年は5月頭のハリケーン「FLAMBOYAN」のあと嵐は発生していません。低迷期を過ぎて初めてのサイクロンとなったため、仮番号も最初に戻ったわけですね。対して北半球側では個数そのものが少ないのですが、それでも仲春や晩秋にピークがあるようです。同じ北半球でも日本の台風と少し違います。

統計処理のついでに、年ごとの個数変化も積み立てグラフにしてみました(下C・D図)。各年毎に発生が多い5ヶ月分とそれ以外の月とに分けて積み上げてあります。これも南北スケールが一緒なので比較してみてください。北半球の大西洋や東太平洋の発生数などは、例えば2018年8月30日記事などに掲載しています。関連性を見出せるでしょうか。

南インド洋はこれから徐々にサイクロンが増えてくるでしょう。年に1、2回はマダガスカルなどに強い勢力の嵐がやってきて大きな被害が出ることもありますから、関係しそうな方は情報に耳を傾けてくださいね。

  • インド洋北南球側の月別サイクロン数

    A.インド洋南球側の月別サイクロン数
  • インド洋北半球側の月別サイクロン数

    B.インド洋北半球側の月別サイクロン数


  • インド洋北南球側の年別サイクロン数

    C.インド洋南球側の年別サイクロン数
  • インド洋北半球側の年別サイクロン数

    D.インド洋北半球側の年別サイクロン数


  • 元データはJoint Typhoon Warning Centerのベストトラックデータです。自作プログラムにより全てのデータを再度チェック&分類分けした後、各統計処理をしました。このデータはごく稀に間違いを含んでいるため、統計を取る前の念入りなチェックが必要です。
  • 元データは1945年からの記録がありますが、1970年台まではデータが不揃いのケースがやや多いため、上記統計は1980年以降としました。
  • 台風と同じ基準で、最大風速34ノットに達したもののみを対象にしました。また南半球・北半球共に、年の区切りは1月1日0:00UTCとしました。ただしここでの風速は1分平均値と思われ、気象庁の10分平均値とは測定法が異なります。


参考:
アラビア海のサイクロン(2018/05/27)

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