気象衛星ひまわりがとらえた部分日食2018/08/11

20180811日食図
本日は新月ですが、ちょうどそのタイミングで部分日食が起きました。約一ヶ月前、7月13日に新月になった際もオーストラリア南部や南極で部分日食となったので、二ヶ月連続ですね。今回も日本では見えませんでしたが、北極圏を中心に見ることができました。

具体的には左の日食図のピンクや青線に囲まれた範囲です(NASA Eclipseサイトから引用)。実は日本のすぐ近くまで可視範囲が及んでいたのですね。このため、気象衛星ひまわりからも確認できるのでは?と、密かにモニターしていました。前回の日食は欠ける面積が狭かったせいか、衛星画像ではよく分かりませんでしたが、今回は最大7割ほど欠けたためかなり暗くなり、よく分かりました。

20180811a
気象衛星ひまわりから今回の日食が見える範囲は右図の通りです(→アーカイブ:静止気象衛星による日食月影の可視範囲参照)。オレンジ線の中で日食が見えるため、程度の差はあっても月影が投影される範囲と見なすことができるでしょう。衛星画像の北側を指定時間に見ればいいわけですが、皆既日食のようにはっきりした影が投影されるわけではないため、明暗が破綻しない程度にコントラストを強める処理等を施す必要があります。

下に、9:00UT(日本時間18:00)から20分おきに11:20UT(同20:20)まで、画像処理済みの該当位置画像を掲載しました(画像元:RAMMB/画像処理等は筆者)。まだ月影がやって来てない最初の9:00UT画像のみ、世界地図や経緯線を描いてあります。日本が日没を迎える頃ですね。日周のため太陽光が右(東)から左(西)へ抜けてゆくのとは別に、北極の方から暗い影がゆっくり降りてくるのが分かるでしょうか?これが月影です。日本から見て北極のやや東側近くが一番深く欠けたので、北縁の明度変化がとても顕著ですね。最後の11:20UT画像は日食がほぼ終わっています。

時間や予算が無くて海外に行けない方はこのような日食の楽しみ方を覚えておくと良いかも知れません。なお次の日食は2019年1月6日の部分日食で、日本全国で午前中に見ることができます。どうぞお楽しみに。

  • 20180811-0900ut気象衛星ひまわり

    09:00UT
  • 20180811-0920ut気象衛星ひまわり

    09:20UT
  • 20180811-0940ut気象衛星ひまわり

    09:40UT
  • 20180811-1000ut気象衛星ひまわり

    10:00UT


  • 20180811-1020ut気象衛星ひまわり

    10:20UT
  • 20180811-1040ut気象衛星ひまわり

    10:40UT
  • 20180811-1100ut気象衛星ひまわり

    11:00UT
  • 20180811-1120ut気象衛星ひまわり

    11:20UT


参考:
2019年の今日は夕日に注目!(2017/12/26)
気象衛星がとらえた日食月影(HIMAWARI編)(2017/08/22)
気象衛星がとらえた日食月影(GOES編)(2017/08/24)
気象衛星がとらえた日食月影(METEOSAT編)(2017/08/26)
気象衛星がとらえた金環日食による月の影(2016/09/01)
気象衛星がとらえた日食による月の影(2016/03/09)