中央・東太平洋でも多数の嵐が活発化2018/08/08


20180808-0600ハリケーンHECTOR
関東地方が台風13号の強風圏に入り、当地・茨城県南部も風雨が強まりつつあります。それはさておき、お盆休みを海外で過ごす方も多いでしょうが、メジャーな観光地のひとつ、ハワイにも大きなハリケーンが迫っています。

左は本日8日6:00に気象衛星ひまわりが地球の縁に捉えたハリケーン「HECTOR」(画像元:NICTサイエンスクラウド/地図・経緯線などは筆者)。ハワイ諸島はひまわりから撮影できる範囲に入っているため、近くに嵐が発生していると写ることがあるのです(→参考記事1参考記事2)。ただし縁ギリギリで極端に歪みますから、詳細ははっきりしません。存在が分かる程度です。

HECTORはハワイ島の南東に位置し、西進を続けています。8日朝現在は「カテゴリー4」で、最大風速60m/sのかなり強いハリケーンです。ゆっくり衰えてゆく予報ですが、ハワイ島最接近までは強い勢力を維持していますから注意が必要ですね。いまだに噴火が止まないキラウエア火山への影響も心配されています。直接島へ上陸する予報ではないものの、強風域が島すれすれまで広がっていますから、火山灰を含む大気が激しく撹乱されたり、拡散方角が急に変わったり、あるいは雨が降って水蒸気爆発を誘発したりする恐れもあるでしょう。

20180807-1800UT-GOES画像
実は数日前までハワイ以東の太平洋には合計6つもの嵐が乱立していました(熱帯低気圧レベル含む)。いくつかは弱まりましたが、今も「HECTOR」以外に「KRISTY」と「JOHN」が残っています。

右はGOES-16(R)が捉えた本日3:00JST(7日18:00UT)の衛星画像(画像元:RAMMB/ナチュラルカラー)。いくつもの嵐が確認できますね。HECTORは画像左端近くなので、ひまわり同様はっきりしません。今年3月に打ち上げられ、現在調整中のGOES-17(S)が稼動し始めたら、東太平洋の嵐観測精度が向上するでしょう。

アメリカもハリケーンシーズン真っ只中。昨年のようなひどい状態にならぬよう願っています。

2018年の台風14号が発生2018/08/08


20180808-1500気象衛星
昨日気象庁から「台風になるかも知れない」と発表のあった熱帯低気圧は、本日12:00に台風14号「ヤギ/YAGI」となりました。直前の台風13号発生から5日と3時間後で、台風13号はまさに関東直撃中のため、今日現在はダブル台風となっています。なお今年のダブル台風は「4号・5号」「9号・10号」「10号・11号」「11号・12号」「12号・13号」に続いて6件目。9号以降は7月下旬から立て続けなので、実に集中していますね。

左は台風発生から3時間経った本日8日15:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点円は各台風中心の直径1000km円。台風13号のもたらす東・北東の風により、東日本から北海道にかけてかなり涼しくなっています。対照的に、雲のかかってない西日本は相変わらず暑く、岐阜県では40度越えの記録が2カ所も出ました。極端ですねぇ…。

やぎ座
14号は当初四国・中国地方を縦断するような予報が出ていましたが、南西諸島を通過する予報にすぐ修正されました。現在あまり動いてないため、今後の進路や通過日時はまだ絞り切れていないようです。最新の予報を元に注意して行動してください。

なお「ヤギ」とはやぎ座のことで、台風命名リストによる日本選出の名称です。右はステラナビゲーターによるやぎ座ですが、ちょうど今話題の火星が輝いている星座です。これも何かの縁かな!?日本選出の台風名称は全て星座名で、リスト上で次に星座名が付くのは14個先の「ウサギ(うさぎ座)」の予定です。今年あと14個も台風は発生しないでしょうから、来年か再来年あたりでしょうかね?いま台風たちが暴れている地方の方々は、台風たちが通り過ぎたら澄んだ空に浮かぶ火星を楽しんでください。