観察好期を迎えた火星2018/07/09

20180709火星
昨夜から今朝にかけ、夜半前は雲多めでしたが夜半を過ぎる頃には七夕の星々がたどれるほど回復、明け方まで断片的ながら比較的落ち着いた星空の時間が訪れました。ただ、明け方に雨の予報も出ていたため、慌ただしく望遠鏡を組み立てました。

火星と彗星観察を予定しましたが、前触れ無く横切る雲が多く、難儀しました。結局彗星は諦め、撮影できたのは火星のみ。それも、雲にせき立てられるような撮影でピントや方向角を精度良く合わせる時間がなく、少し狂っているかも知れません。南半球に模様らしきものが見えるのですがはっきりしませんね。砂嵐はまだ続いているのでしょうか?右下はGuideによる撮影時の火星図です。

20180709火星図
火星が大接近するのは7月31日ですが、その日に晴れるとは限りませんし、そこまでの二十日間あまりに穏やかな晴れが来る確率もそう高くはないでしょう。数回見ることができればラッキーてなもんです。視直径は22″を越えましたので、最大時とたったの2″しか違いません。もう十分に観察絶好期。ぜひチャンスを逃さずご覧くださいね。

(その後天気が急変、朝から午前中は時々雷雨となりました。)

参考:
2018年火星の地球接近に関する記事(ブログ内)

今日の太陽2018/07/09

20180709太陽
当地・茨城では朝のうち激しい雨や雷に見舞われたところがありましたが、昼からは青空が戻り、暑くなりました。久しぶりの猛暑となり、18時現在、全国の真夏日地点数は515、猛暑日地点数は5でした。豪雨や土砂災害、河川氾濫のあった西日本を含め、九州北部、中国、近畿、東海、北陸地方の梅雨明けが発表になっています。

20180709太陽リム
左は14:20頃の太陽。昨日ははっきりしなかった左リム赤道付近のところは新しい活動領域候補が確かに生まれているようです。(今日の採番はないようでした。)右上と右下リムのプロミネンスはまだ見えます。左下のプロミネンスもはっきりしてきました。 魅力的な雲がたくさん出ており、何か見えないか時々探しましたが、ハロ現象は確認できませんでした。(ごく弱い幻日が出ていたようでした。)

台風8号は勢力を保ったまま沖縄以西へ2018/07/09


20180709-1800jst台風8号
非常に強い台風8号は当初の予報より若干南寄りを進んでいます。気象庁の進路予報によると既に大東島は強風域、明日朝までには沖縄本島も強風域に飲み込まれます。そして明日夕方には宮古島から与那国島までの先島諸島全てが暴風域に入るようです。お近くの方、十分ご注意ください。

左は本日9日18:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者、可視光+近赤外バンドによるTrue Color処理。)目が大きく発達し、勢力の強さが伺えます。

また右下図は発生以降、本日18:00までの中心気圧と風速をグラフにしたもの。6日午後以降は猛烈な台風(風速105ノット以上)と非常に強い台風(85ノット以上・105ノット未満)とを行ったり来たりしていますが、なにより驚いたのは5日午後から6日午前にかけての急発達でした。一番速かった6日朝には気圧が1時間あたり5hPaの減少、風速は3.3mノットの増加というペース。特に気圧の変化は過去の台風でもトップクラスです。

20180709台風8号の状態(夕方現在)
台風やハリケーンの発達速度に関して、気象予報士の森さやかさんのネット記事が本日タイミング良く掲載されていました。これまでの台風について具体的に調べてみたので、下表に掲載します。これは1時間あたりに換算した「中心気圧の減少」、および「中心風速の増加」が大きかったものを気象庁ベストトラックを使って集計し、上位20位程度を一覧にしたものです。

ベストトラックに風速が記録されるようになったのは1977年以降なので、1977年台風1号以降、2018年台風3号(今日時点でベストトラックに記載された最新)までを対象としました。併せて、その台風の存在中に到達した最低気圧・最大風速・最大強風域も併記してあります。必ずしも急発達した台風は大きくなる訳ではない、とか、風速増加が急であっても最低気圧はそんなに低くない台風もある、といったことも、この表から推察できますね。

2015年に先島諸島を直撃した台風21号では、与那国島にある風力発電の風車が破損するほどでした。今回は大丈夫でしょうか?三日ほど経てば台風そのものは弱まると思いますが、どうか大きな被害が出ませんように!

【中心気圧減少が大きかった台風】
台風番号気圧減少の最大
(hPa/h)
気圧減少の最大日時
(JST)
最低気圧
(hPa)
最大風速
(knot)
最大強風域
(NM)
1980年19号-6.671980/10/09 03:00890120700
2006年20号-6.672006/11/10 09:00925100280
1983年10号-5.831983/09/22 21:00885110750
1980年14号-5.001980/09/17 15:00915100500
1984年06号-5.001984/07/28 15:00915100600
1984年22号-5.001984/10/25 09:008801201000
1998年05号-5.001998/09/16 03:0096560950
2003年15号-5.002003/09/19 17:0095570500
2013年11号-4.502013/08/10 09:00925105400
1977年19号-4.171977/11/09 03:00920110600
1978年24号-4.171978/10/13 03:0094080370
1980年09号-4.171980/07/24 09:00910100425
1981年20号-4.171981/09/19 09:00925100600
1981年26号-4.171981/11/22 03:00905110600
1983年04号-4.171983/07/24 03:00920110600
1983年05号-4.171983/08/07 21:00895120900
1998年10号-4.171998/10/13 03:00900110950
2006年21号-4.172006/11/29 09:00915105390
2012年17号-4.172012/09/23 09:00905110590
2013年19号-4.172013/09/19 09:00910110600
2013年28号-4.172013/10/22 15:00905115420


【中心風速増加が大きかった台風】
台風番号風速増加の最大
(knot/h)
風速増加の最大日時
(JST)
最低気圧
(hPa)
最大風速
(knot)
最大強風域
(NM)
1999年16号10.001999/09/15 09:0098545160
2003年15号10.002003/09/19 17:0095570500
1979年20号6.671979/10/11 03:008701401000
1986年03号6.671986/05/19 09:00910120600
2006年20号5.832006/11/10 09:00925100280
1983年04号5.001983/07/24 03:00920110600
1983年11号5.001983/09/29 15:0098070300
1983年19号5.001983/11/23 15:00930110700
1984年27号5.001984/12/07 03:00940100400
2003年06号5.002003/06/18 05:0095580420
2007年11号5.002007/09/14 18:00935100200
1977年19号4.171977/11/09 09:00920110600
1979年19号4.171979/10/07 09:0093090400
1980年11号4.171980/08/10 09:0094590390
1980年19号4.171980/10/09 03:00890120700
1982年02号4.171982/03/24 09:00935100350
1982年10号4.171982/07/28 21:00900125800
1982年11号4.171982/08/07 15:00920110425
1983年02号4.171983/07/11 03:0097565300
1983年10号4.171983/09/22 15:00885110750
2013年11号4.172013/08/10 09:00925105400

  • 元々のベストトラックに記載された気圧や風速は離散的なものです(全てではありませんが、風速5ノット単位や気圧2hPa単位に丸めてしまうようです)。よって、上記の計算値も飛び飛びで同じ値が並ぶことになります。
  • knot…ノット、NM…海里です。
  • 1ノット=1海里/h=1.852km/h=0.5144m/sです。