ガラパゴス諸島で火山が活発化2018/06/28


20180626-2300UT_GOES16_ガラパゴス噴火
新燃岳ではふっと思い出した頃に噴火が起こり、昨日も発生しました。世界に目を向けると、ここ数ヶ月でハワイのキラウエア火山を始めいくつかの大きな噴火が起こっています。そんな中、世界遺産として有名なガラパゴス諸島でも爆発的な噴火が発生したようです。

今回噴火があったのはイサベラ島のシエラネグラ火山(Sierra Negra)。Instituto Geofísico-Escuela Politécnica Nacional (IG)によると、22日頃から何度か発生したマグニチュード4から5の地震の後、26日午後1:40(ガラパゴス時間GALT=世界時-6時間=日本時-15時間)に噴火が始まり、噴煙が10.5kmまで立ち上ったということです。大規模な噴火は2005年10月22日以来で、そのときは5万フィート(約15km)まで噴煙が上がったそうです。左上は26日23時UTC(日本時間27日8時)にアメリカの気象衛星GOES-16が撮影した画像を処理したもの(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。現地ではそろそろ夕方の時刻ですが、高く立ち上った噴煙の影が非常にクッキリしており、西日を全く通さないほど濃いことが分かりますね。火山ガスは西から西南にかけて流れているようです。太陽高度が分かれば影の長さから大凡の高度を計算できると思いますので、ご興味ある方はチャレンジしてみてください。(※経緯度の目盛は1度四方です。)

20180616-2100UT_GOES16_ガラパゴス噴火
ガラパゴス諸島では10日前にもフェルナンディナ島のラ・クンブレ火山が噴火したばかりでした。16日11時過ぎ(GALT)頃から発生し、溶岩流が海へ到達したとのこと。右画像は左上画像と同じエリアですが、16日21時UTCの様子。島の北海岸から噴煙が出ていますね。

ガラパゴス全体はハワイ諸島のようにホットスポットによって次々に島が生まれたタイプの島々。ハワイを乗せた地殻は北西もしくは西北西へ向かっていますが、ガラパゴス付近は南東もしくは東南東へ向かっていると考えられています。貴重な生態系を保有しているだけに、度重なる噴火による生物へのダメージが心配ですね。

【参考】
ガラパゴス諸島付近およびハワイ諸島付近の海底地形図を掲載しておきます。図法・縮尺・配色などは統一しました。白っぽい色は陸域、それ以外は海底地形です。(標高・水深データ:SRTM30plus/正射図法で描画。)

  • ガラパゴス諸島付近の海底地形

    ガラパゴス諸島付近の海底地形
  • ハワイ諸島付近の海底地形

    ハワイ諸島付近の海底地形


1ヶ月後の皆既月食と地球影のこと2018/06/28

20050424月出半影月食
今年2018年は皆既月食が二回も起こると予報されていました(記事内の表参照)。一回目は1月31日で既に終わっていますが、二回目は7月28日(土)、つまり一ヶ月後です。(たぶん)梅雨明けしており、土曜日でもあり、またこどもたちも夏休み中と言うことで、多くのご家庭にとって観察しやすい対象でしょう。ただし注意しなくてはならないのは、「明け方に起こる」ことと、「最大皆既になる前に沈んでしまう」こと。うっかり7月28日夜だと勘違いしないようにしてくださいね。

月食進行中に月が登ることを「月出帯食」、同じく沈むことを「月没帯食」と言います。今回は月没帯食です。左画像は2005年4月24日に撮影した月出帯食(半影食)。まだ周囲が真っ暗にならない前で、月の左側がやや暗くなっています。月がオレンジ色なのは高度が低いからで、月食のせいではありません。7月28日の場合は西空での皆既月食ですから、この画像よりもずっと暗くなるでしょう。なるべく開けたところで、月を見失わないようにしてください。

西の夕焼けと東の地球影
夕方や明け方は太陽が沈む(昇る)方角と反対側に「地球影」が見えることがあります。右画像は上段が西空の夕焼け、下段が東空の地球影をペアで撮影したもの。東の景色のすぐ上が暗青色になっていますね。これが地球影。地球影のすぐ上のほんのり赤紫に染まる部分は「ビーナスベルト」と呼ばれます。月食はこの影がずっと遠くの月まで届いて起きる現象。月出帯食や月没帯食では月食を起こす原因(地球影)と起こされた対象(月)が同時に見える貴重なチャンスなのです。

ところで、本ブログで時々取り上げてきたのが「満月のとき地球影はどこにいるのか」ということ(→参考記事1参考記事2など)。月食の有無にかかわらず、満月のすぐ近くに地球影(本影や半影)が潜んでいるはず。下図はステラナビゲーターを使って、今月の満月(本日6月28日13:53)と来月の満月(7月28日5:20)のふたつのタイミングで、地球影と月の位置関係を3時間ごとに描いたもの。見比べると、今月は影にかすりもしないけれど、来月はちょうど影の中を通ることが分かります。(※大きい円は半影境界、小さい円は本影境界です。)

  • 20180628満月と地球影

    A.2018年6月28日の満月と地球影
  • 20180728満月と地球影

    B.2018年7月28日の満月と地球影


上図を見て「あれっ?」と感じませんでしたか?月や地球影の移動が直線的あるいは等間隔的ではなく、かなり不規則で思いもしない動きになっていますね。雑誌やサイト等に載っている月食解説図を見ても、直線的な動きの図しか載っていません。例えば今年1月の皆既月食では左下図のようなものでした。上図のようなものは専門家以外の方にとって珍しいと思われます。

20180131皆既月食図
上のA・B図にいったいどんなカラクリがあるのでしょうか?実はA・B図とも実際の見え方をストレートに描いたもので、何ひとつカラクリはありません。カラクリがあるとすれば左図のほうでしょう。特に断りがない限り、月食図は「地球中心(地心)から見た地球影中心方向の様子」を描いているのです。地球の大きさまで考慮するととても分かり難い図になってしまうからです。でも観察者が地球中心で観察することはあり得ません。「じゃあ、地表の観察者が見た実際の位置関係はどうなってるの?」ということを示すべく、上のA・B図を掲載しました。測心という言葉は「地表の観察者視点」という意味です。

少し期間を広げてみましょう。下のC図は6月27日正午から7月4日正午まで一週間、同様に月と地球影の位置関係を1時間おきに広視野で描いたもの。月は緩やかにうねりながら速くなったり遅くなったりしています。また地球影は何が何だか分からないほどグルグルになっていますね。シンプルに理解しやすいよう、地球影の中心位置のみを自作プログラムで計算して、同期間の動きをD図に示しました。地球中心から見た場合と、地表で見た場合とを比較できるよう色分けしています。所々の丸い印は12時間ごとの位置。星空の中を月や地球影がこんな複雑に移動してるって、ご存じでしたか?

私たちを乗せた地球は1日1回日周しますから、1日周期の視線の変化を発生させます。地球のそばにある月や地球影はこの変化に伴って戻ったり進んだりするのです。周期は全く違いますが「惑星の順行と逆行」に似た、見かけ上の動きですね。これをよく理解しないと、地球中心で予測計算された現象が自分の観察場所で見えるか見えないかという判断ができません。逆に「天文現象が見えた」ことは、このような複雑な要素が絡み合った中から、たまたま私たちの目に飛び込んできた光、と言うことになります。本当に奇跡に近いことなのです。

  • 測心計算による満月と地球影の動き

    C.月と地球影の位置関係(広視野)
  • 地球影中心の動き比較

    D.地球影中心の動き(地心計算と測心計算の比較)


今日の太陽と彩雲2018/06/28

20180628太陽
昨夜は宵のうちぼんやり月が見えていたものの、夜半過ぎから時折小雨。今日午前まで続きました。昼頃から晴れ間が広がり、暑くなっています。昨日ほどではないものの、今日も風が強いですね。

20180628太陽リム
左は15:15頃の太陽。活動領域12715はほぼリムに到達し、この画像ではほとんど見えません。また中央を過ぎたダークフィラメントも短くなってきました。左下リムのプロミネンスはいまだリム近くに留まっています。不思議ですなぁ…。

20180628彩雲
空にかかる巻雲は今日も美しく彩られていました(右画像)。ただ、このカメラは光条に色が付くため、彩雲なのか光条なのか分かりづらいことがあります。気象光学現象向きのカメラってなかなか無いんですよね。