夕空と、はやぶさ22018/06/15

20180616宵の西空
明日6月16日土曜日、少し暗くなってきた宵空には眩しい金星と三日月とが縦に並び、美しい光景を堪能できるでしょう。金星と月との離角は約3.3°。すぐ側にはプレセペ星団もあって、視野の広い小型双眼鏡なら三天体がいっぺんに探せるはず。因みに20日には金星がプレセペ星団の中に入ってしまうほど接近しますのでお見逃しなく。

また金星と横並びでふたご座のポルックスとカストルも見えるでしょう。このふたつは日本で「金星銀星(きんぼし、ぎんぼし)」とも呼ばれてますから、「実のところ金星とポルックスとどちらがより金色なのかな?」という比較ができる絶好の機会ですね。

とは言え、全国的に天気の悪い日が続いています。少なくとも関東では絶望的…。

さて、この天体ショーも素敵なのですが、本記事の主題は別にあります。それは「探査機はやぶさ2がこの空の方向にいるんだよ」ってことなんです。いよいよ今月末ごろ小惑星リュウグウに到着予定のはやぶさ2。地球から見れば小惑星と探査機の位置差はほぼゼロなので、右下にステラナビゲーターによる小惑星リュウグウの位置=はやぶさ2の位置を示しました。(※Gemというのはふたご座の略称:Gem=Gemini。)視点設定は当ブログ基点の茨城県つくば市ですが、日本のどこから見てもほとんど差はないでしょう。

201806はやぶさ2の位置
この6月中、リュウグウはふたご座をゆっくり横切っていたのです。この星図には太陽・月・惑星は描いていませんが、冒頭の天体ショーで出てきたポルックスとカストルがありますね。つまりふたご座は金星と太陽とに挟まれた夕空に位置し、そこにはやぶさ2がいる!ということです。もしエールを手向けるなら、日没後暗くならないうちに金星の右下を向きながら念を送ってください(笑)。

連日のJAXA会見に寄れば接近は今のところ順調とのこと。探査機搭載の望遠光学航法カメラが次第に接近する小惑星を捉え始め、JAXAのはやぶさサイトで閲覧できます。下画像はそこからの引用ですが、背景に写っているいくつかの星は右星図に描かれていますよ。もちろんはやぶさが見ている小惑星の方向と、地球から見ている方向は違います。でも現状では極端な差が無いようなので、「はやぶさ2は小惑星と地球とを結ぶ軸線に近いところを飛んでいる」ことが分かります。

到着や観測、そして帰路でも1号の時のように迷わないよう、慎重に進めて欲しいなと願っています。

  • 20180606はやぶさ2-ONC-Tカメラ

    2018年6月6日・残り約2600km
  • 20180613はやぶさ2-ONC-Tカメラ

    2018年6月13日・残り約920km


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