小惑星2010WC9が間もなく大接近2018/05/13

2010 WC9軌道図
久しぶりに小型望遠鏡で観察可能な地球近傍小惑星が近づいています。

接近中の小惑星は「2010 WC9」という名称。地球近傍小惑星のうち「アポロ群」に属する小惑星です。アポロ群は軌道長半径が1天文単位以上、かつ近日点距離が1.017天文単位以下の小惑星のこと。左図はJPL Small-Body Database Browserからの引用で、最接近時の2010 WC9軌道(白線)ですが、このように地球軌道(水色線)の近くを横切って南北を行き来するため、そのタイミングで地球が通ると「小惑星大接近」となるのです。

CNEOSによると今回の最接近は5月15日22:05UT(16日7:05JST)前後とのこと。接近する距離は地球と月との平均距離の約半分。最接近時に日本では朝になってしまうので見えませんが、その直前、スピードを上げつつ南下して行く様子を好条件で観察できます。下はNASA-Horizonsによる計算をステラナビゲーターで描いたもの。異常接近する天体は観察場所によってずれるため、札幌、つくば、福岡、那覇の四都市で計算した視位置を色別に描いてあります。みなさんの観察地はいずれかの近くまたは中間でしょうから、この四都市予報から推測してください(例:名古屋や大阪ならつくばと福岡の中間付近、仙台ならつくばと札幌の中間付近という具合)。また採用する軌道要素によっても位置や通過時刻が若干ずれますので、あくまで目安としてお使いください。数度程度の視野/写野であれば、機材をこの星図通りに向けると視野/写野内のどこかにいると思います。

推定直径が約70mと大きいため、15日夜半前から16日明け方にかけては約12等から11等まで増光する見込みです。15日22:30頃には球状星団M10、16日3:30頃には球状星団M19、同4:00頃には球状星団M62に次々と大接近するでしょう。(※くり返しますが位置や時刻は下星図からずれることがありますので、数十分程度早めに余裕を持って臨みましょう。)観察地によっては低かったり薄明が始まっているでしょうから、みなさんの技術と環境に合わせて観察をお楽しみくださいね。晴れますように。

  • 20180515小惑星2010WC9接近

    5月15日 18:00 − 16日 0:00
  • 20180515小惑星2010WC9接近

    5月15日 23:00 − 16日 2:00
  • 20180515小惑星2010WC9接近

    5月16日 2:00 − 4:00


参考:
1日早く地球接近小惑星2010WC9を捉える(2018/05/15)…2010WC9を接近前夜に捉えた記事です
小惑星2012TC4が地球すれすれまでやってくる(2017/10/01)