雪解け2018/04/02

20180330北海道(Aqua/MODIS)
数日前に「北海道で川が氾濫」というニュースを見てビックリ。そんなに雨降ったっけ?と調べると、原因は降雨そのものではなく、雪解けの水でした。急に気温が緩んだせいで、大量に雪解け水が川に流れ込んだり、低域の牧草地を水浸しにしてしまったのです。こういう災害は関東に住んでいると全く聞かないので、自然の怖さ、奥深さにあらためて驚かされます。

川が氾濫するほどの雪解けを地球観測衛星Aquaが捉えています。左はNASA-WorldViewからの引用で、晴れて北海道が見渡せた3月30日の画像。見ると沿岸のあちこちから茶色の水が溢れていますね。これなら関東でも梅雨や台風の後によく見かけます。大雨だった訳でもないのにこの有様…。

下には気象庁サイトの「天候の状況」から「10日間気温平均の平年差」を引用しました。遡って2月1日から10日ごと、昨日の分まで6期間です。図を拡大しなくても、遠目に青っぽかった列島全体が3月半ばからオレンジや真っ赤になったことが見て取れますね。赤は平年差+3度以上のマークですが、この「以上」というのが曲者。調べると3度どころではなくて、北海道などでは6度差以上を記録しているところも多く、10日平均ではなく直近の5日平均だともっと高いのです。ちなみに東北以南では二桁に達しているところもあり、沿岸を見るとやはり泥水が溢れていました。

例年より早いペースで寒暖の差が大きい季節がやって来てしまいました。人も体を壊しやすいですが、自然も崩れやすくなります。災害が起きそうな地方のみなさん、どうか安全にお過ごしくださいね。

  • 20180201-10日間気温平均の平年差

    2月1日−2月10日
  • 20180211-10日間気温平均の平年差

    2月11日−2月20日
  • 20180221-10日間気温平均の平年差

    2月21日−3月2日


  • 20180303-10日間気温平均の平年差

    3月3日−3月12日
  • 20180313-10日間気温平均の平年差

    3月13日−3月22日
  • 20180323-10日間気温平均の平年差

    3月23日−4月1日


20180323-10日間降水量合計の平年比
関連する余談ですが、右図は同じく気象庁サイトからの引用で「10日間降水量合計の平年比」。3月23日から昨日までのものです。全国的に真っチャッチャ!例年の1割も降ってないと言うことです。

これからやって来る春の農作業シーズンを前に、降水不足が深刻にならないと良いのだけれど…。水というものは人が願うほうにばかりは動かないものですね。

今日の太陽2018/04/03

20180403太陽
昨夜から今朝は月も見えないほど曇っていましたが、朝から徐々に晴れてきました。ただ透明度が悪く、空がまっ白です。昼近くになると3m/s程の南風が出て、正午前なのに20度を超し始めました。

20180403太陽リム
左は9:50過ぎの太陽。活動領域12703が少し明るく見えます。プロミネンスは小規模ながら二ヶ所鮮明に見えました。蒸気が多くて花粉光環ははっきりしませんでしたが、薄く見えているようでした。

天宮1号落下、ふりかえり2018/04/03

20180402天宮1号の落下地点
昨日4月2日に天宮1号が太平洋上空で大気圏に再突入し、「落下」という事態になりました。中国当局は「制御下による落下」と主張しているようですが、宇宙関連専門家の大部分は、2016年からずっとコントロールを失ったまま今回に至ったという見方が大半です。依然として最後の状況は分かっておらず謎に満ちたままです。

落ちた場所および最後の一周を左地図に示します。サモア島やクック島の近くですね。日付変更線を跨いだ近くなので見辛いですがご容赦ください。発表された落下時刻は日本時間で9:15または9:16ですが、この地図は3分程度ズレています。元々概算なので1分内外の誤差が含まれることに加え、急激な軌道変化による予測と実際のズレもあると思われます。いくつかのニュースで「どの陸地からも一番離れている海上地点(Oceanic pole of inaccessibility)」…俗称「ポイント・ネモ」で知られる海域に近いと報道されましたが、実際はかなり遠いです。(※天宮1号の軌道傾斜角が約42.7°なので、南緯49°近くのポイント・ネモまで到達できません。)また用済み人工衛星を誘導して落下させる「宇宙船の墓場(Spacecraft cemetery→Wikipedia)」からも少し遠いです。

地図を見るとわずか二十数分前に京都や滋賀、三重などの上空を通っています(右下図)。このときの高度は100kmから120kmの間と考えられ、領空侵犯ギリギリでした。お近くの方、Jアラートなどの警報は鳴ったでしょうか?それとも、道行く街の人は何の関心も危機感もない、いつもと変わらない年度初めだったでしょうか?しっかり調べたわけではありませんが、今回の落下に関して国内での公共期間からの追跡モニターや現在位置情報等が全く流れなかったことに驚きました。私が知らなかっただけ?

20180402天宮1号の落下直前・日本付近
「どうせ落ちない」「自分は大丈夫」「人に当たる確率は宝くじ一等より低いんでしょ?」「回りは誰も騒いでないよ?」といった声をたくさんたくさん聞きました。これって地震とか火山噴火とか津波の時に良く聞いた言い訳ですね。正常性バイアスに変な集団心理まで加わった結果でしょうか。

安心なら安心で良いのです。なにも四六時中気を張らなきゃいけないなんて言いません。落下の危険は限りなく低いとしてもゼロではないから、「安心できる根拠」が欲しいと思いませんか?ミサイルのような攻撃性がなくても、せめて「高度が高いのでまだ落ちません」とか「どこの街を何時に通過しました」「落下地点はここでした」といった公的な情報を、最後の一日だけで良いから国や公共機関が逐一かつ大々的に伝えるべきだったのではと感じました。(全メディアを見てたわけじゃないから、どこかの放送局でL字テロップなど流れたのかも知れませんが…。)

災害が起きたとき、後付けで「想定外だった」等どんな言い訳もまかり通ってしまう時代。そろそろそんな時代遅れの思考と決別すべきでは…と考えた次第です。

参考:
2018年春に落下予想の「天宮1号」に関する記事(ブログ内)

接近中の火星と土星、新たな超新星も2018/04/04

20180404火星と土星の接近
昨日は雲が多くて火星と土星の最接近を見ることができませんでした。今朝は霞の多い空ながらも一応晴れています。月が近くに木星を従え、煌々と空を照らす厳しい状態でしたが、土星から離れつつある火星を拝むことができました。火星の動きは本当に速く、日に日に…どころか、10分も見ているともう動いて見えます。さながら地球に近づく彗星を観察するかのようですね。まあ、お隣さんなので当たり前と言えば当たり前。

4月2日朝に大接近した球状星団M22もまだ同じ写野に収まります。4日後の8日朝には月もやって来て、写野内にギリギリで入るでしょう。ただ、週末に天気が崩れる予報が出ています。

20180403_AT2018apk in NGC2943
実は夜半前にもうひとつ撮影した天体がありました。星仲間の(の)さんからの情報で、広島県の坪井正紀さんがまた超新星を発見したとのこと。AT2018apkとの符号が付いたこの天体は光度17等を下回っており、月夜の昨晩にはキツいかなと思いました。でもなかなかすっきり晴れないし、天体はちょうど天頂を過ぎた条件良い場所だったため、急きょトライしてみたのです。

撮影始めの気温が15度近くもあってさすがにノイズもカブリも多い画像ですが、超新星自体の存在はなんとか写し取ることができました。暗くならなければ、また月のない夜に撮ってみたいと思います。坪井さんは2月にもNGC3941にSN2018pvを発見しています。

参考:
2018年火星の地球接近に関する記事(ブログ内)