木星の衛星を幾つ写せるかな?「パシファエ編」2018/04/23

20180422木星と四大衛星
幸運なことに、ここ数日おきに晴れが続いています。月は夜半前に沈んでくれるので、この時期を狙って「木星の四大衛星以外の衛星」の撮影にチャレンジ中(→参考:ヒマリア編およびエララ編)。22日明け方は「第8衛星パシファエ」に挑みました。

衛星撮影前に超新星SN2018astを撮影しがてら機材の調子を確認。その後まず木星本体を直焦点で撮影しました(右画像)。今夜は四大衛星が片側に寄っていますが、木星に隠れることなく全て見えました。また大赤斑も中央東(左)寄りに小さく写りました。1600mm余りの直焦点でも写るものなんですね。

パシファエは第7衛星エララと同程度の17等前半という暗さです。今まで何度か撮影を試みましたが、位置が違ったりノイズと判別できなかったり成功しませんでした。17等台というのはあくまで計算上の光度ですから、高度による減光、光害や春霞などでSN比が悪化…など幾つも難関があります。でも今夜は珍しく透明度が上がっており、湿気も少なく感じました。何より前夜に比べて1等級暗い星が肉眼で見えています。こんな夜は撮影もうまく行く…はず。

慎重に写野を定め、1時半頃から撮影開始。いつもは1時間程度で露出を切り上げますが、今回は90分まで伸ばすことにしました。下A図は撮影範囲(ステラナビゲーター使用)、下B画像は撮影結果の画像です。ヒマリアやエララよりも木星から離れていたため、木星によるゴーストなどは出ませんでした。B画像は衛星位置基準のコンポジットですが、ノイズに埋もれることなくはっきりとパシファエが写りました。よかった、何とか成功です。

  • 20180422パシファエ撮影範囲

    A.撮影範囲
  • 20180422パシファエ

    B.撮影結果


いつものようにNASA-HORIZONSの計算値を使って、2018年の木星に対する衛星位置をグラフにしてみました(左下図)。ただし、これまでは「地心赤経差」でしたが、今回は「地心黄経差」としています。赤経差も黄経差も極端な違いはありませんが、パシファエおよびパシファエに準ずる衛星群(パシファエ群)はいわゆる「逆行衛星」。公転の向きが他と違いますので、(気分的に)木星との位置差を黄経基準に変更した次第です。ちなみに黄道面に対して地球の自転軸はご存じのように約23.44°傾いていますが、木星自転軸は約3.13°。つまり黄道面と木星赤道面はあまり変わらないということですね。

2018木星衛星位置
左図を見ると現在のパシファエは木星からだいぶ離れたシーズンだと分かります。もし撮影が夏にずれ込んでいたら、木星本体のまぶしさに隠されてしまったことでしょう。偶然ながら、ヒマリアやエララと共にナイスタイミングだったと言えます。(※パシファエの位置差が東西で顕著に非対称なのは、他の衛星よりもかなり細長い楕円軌道だからです。)

またカリストなどのグラフを見ると、木星の衝(5月9日)にあわせて位置差の振幅が大きくなる傾向です。良く考えれば当然のことですが、衝近くに地球と木星が接近するのですから、衛星の見かけの軌道だって大きくなりますよね。この時期にチャレンジできて本当にラッキーだったと思いました。


参考:
木星の衛星を幾つ写せるかな?「エララ編」(2018/04/21)
木星の衛星を幾つ写せるかな?「ヒマリア編」(2018/04/19)

コメント

トラックバック