九州・新燃岳で噴火が継続中2018/03/08


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ご存じのように、九州霧島連山の新燃岳で6日14:30ごろ、爆発的な噴火が起きました。噴煙は3000m程度まで吹き上がったとのこと。折しも前日までお天気が悪く、3月に入ってから続く噴火の経緯が衛星から見えませんでしたが、6日の爆発的噴火の日は良く晴れ、宇宙からも噴煙が見えていました。

左はNASA・WorldViewからの引用で、地球観測衛星Aqua/MODISが捉えた今回の噴火。Aquaの当日の軌道を計算すると九州にもっとも近かったのは13:55から14:00頃だったので、この画像は爆発的噴火直前のものと思われます。それでもこれだけ噴煙が立ち上っていたわけですね。地上付近は南西に向かう風が吹いており、火山灰は鹿児島県へ向かっています。

実はこの噴火を私が最初に見つけたのは気象衛星ひまわりの画像でした。前夜から雲が途切れ始まり、夜間の赤外画像で九州に異常な発光点を見つけたのです。夜が明けると噴煙が分かり、14:30以降の画像では濃くなりました。下のGIF動画は6日14:00-15:00に撮影されたひまわり画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)から霧島連山周辺を切り取ってアニメ化したもの。動画後半のほうが噴煙が濃くなっていますね。



新燃岳周辺の火山性地震回数
新燃岳は過去に何度も噴火を起こしましたが、最近では2017年10月に起きていますね。また大規模な噴火で言うと2011年1月−3月の火山活動が挙げられるでしょう。

右図は気象庁(福岡管区気象台)の資料からピックアップした2009年以降2018年1月までの新燃岳周辺の火山性地震回数。(※複数資料を見比べると同じ時期に異なる数値がある箇所も見つかったので、原則として発表月のものを採用しています。)これを見ると昨年の噴火以降、大規模火山活動に至るかも知れない兆候が見て取れますね。私は専門家でも何でもありませんが、こんなグラフを見たらまず逃げるでしょう。

なお数日間自分で探した限りでは、ネット上に系統立てて発表された火山活動データベース(火山毎の地震回数とか噴火回数とか…)が見つかりません。専門家・学者向けにどこかにストックされているのかも知れませんが、こんな簡単なグラフを描くだけでも膨大な資料から数値を拾い上げなくてはなりませんでした。火山大国日本なのですから、もうちょっと市民レベルで利用しやすいデータベース公表を考えたら良いのになぁと感じます。

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右画像は2011年2月3日午後に、最初の画像と同じくAqua/MODISが捉えた新燃岳の噴煙(NASA Earth Observatoryサイトから引用/前後の日にも記事や画像がたくさんあります)。この時は宮崎県側に流れていますね。太平洋上にも広く拡散しています。桜島の噴煙も見えますよ。火山灰は人間生活は元より、航空機など繊細な機器にも影響を及ぼします。ひょっとしたら海の生物にも影響があるでしょうか?

霧島連山は新燃岳のみならず、多数の火山が活発な状態です。ひとたび噴火活動が始まると、前回のように数ヶ月以上も続く可能性があります。お近くのみなさん、どうか十分に用心してくださいね。

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