明け方の惑星会合は続いてます2018/01/26

20180126明け方東の空
昨夜から今朝にかけてもよく晴れました。宵のうちから放射冷却で氷点下となって、街を照らす上弦の月も寒そうな輝きです。ここ何日かはいくつかの小さな天体撮影や機材調整に当てていたのですが、ふと明け方の惑星が気になったので、まだ雪が残る道をカメラ担いで歩いて行きました。見晴らしの良い場所からは薄明が始まる前に低空の土星が見えています。

左はちょうど天文薄明が始まった頃に撮影した東の空。街明かりの中でも横たわる夏銀河の存在がうっすら分かりました。銀河の中は見所がたくさんで、この画像範囲のM天体だけでもご飯三杯は行けますね。どこにどんな天体が写っているかは右下画像をどうぞ。

20180126明け方東の空
木星は煌々と輝き、少し前に大接近した火星とは離れつつあります。一緒に会合していた水星は2月17日に黄経外合を迎えるべく随分太陽に近づき、全く見えません。この景色で一番下となる土星と木星との離角は45°弱。肉眼で見たこの距離感は年末近くに西空で相次いで合となるまであまり変わらず、次に明け方に揃って見え始める1年後には、急に近くなったように感じるでしょう。見かけの動きが遅い外惑星は、接近と離脱もノロノロ運転ですね。

2月8日から5日間ほどはこの光景に月が加わります。お楽しみに。

2018春・火星・木星・土星の位置変化
ふたつの大惑星間で足早に動くのは火星です。右図は2018年2月1日から5月末まで三惑星の位置変化をステラナビゲーターで描いたもの。火星の落ち着きの無さが分かるでしょう。

2月12日にはアンタレスに見かけ上5°あまりまで接近し、「赤さ比べ」の格好の機会となります。また7月31日には実距離で地球と大接近するため、それを中心に前後半年は位置も明るさも見かけの大きさもめまぐるしく変化するでしょう。今年は火星から目が離せませんよ。

今年7月の火星大接近は一昨年2016年5月の接近よりグッと近く、1900年-2300年間に起こる接近の中では地心距離順で17位という高条件。この先もっと良い条件で見るには2035年9月11日や2050年8月15日まで待たなくてはなりません。「そんなに待てないよ」という方は周到に準備してお待ちくださいね。

参考:
アーカイブ:天体の接近現象一覧
アーカイブ:多天体の接近現象
アーカイブ:火星の地球接近
火星とアンタレスが大接近(2016/08/24)

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