環天頂アークや幻日が見えました2018/01/16

20180116環天頂アーク
最近たまたま空友達から「このまえ環天頂アークを見た」という便りをもらい、自分は久しく見てないなあ、とうらやましがっていたのですが、今日偶然にもみつけました。

ちょうど15時前に外出用事で玄関を出ると、上空の淡い巻雲にしっかりした逆さ虹!時間の余裕がなかったにもかかわらず部屋までカメラを取りに戻り、撮影しました(左画像)。結構鮮やかでしたが、もうだいぶ弧の半径が大きくなっているようでした。つまり太陽高度が低くなり、アークの見頃を過ぎていることを意味します。

ユーティリティ:太陽高度とアークの時刻表で調べると、太陽高度約18°、環天頂アーク高度は約64°。もう少し遅かったら例え気象条件が整っていても消えていたでしょう。なお、都内などでも見えたというニュースを後から聞きました。

20180116幻日と太陽柱
徒歩で外出先へ向かう途中でアークは消えましたが、同時に見えていた左右幻日はとても明るく成長しました(右画像)。またこのとき太陽光も縦に伸びていたので、太陽柱も出ていたと思われます。幻日の高さが違うように感じますね。カメラの水平は取れているので、これは雲の位置が違うせいでしょう。今日の幻日は内暈に沿って縦に長かったのです。こういうケースでは、右と左の雲の位置が違うと幻日そのものの高さが違うように感じてしまうのです。

写真は撮りませんでしたが、この他に淡い内暈、上部タンジェントアークも確認できました。久しぶりのハロ現象、良いですねぇ。

【捕捉】
ひと言で幻日と言っても様々な形状があります。太陽付近の空間に氷結晶(六角柱型ではなく六角プレート型)が含まれるときに現れるのですが、太陽の高さやプレートの量、回転振れ幅、均一性やランダム性などによって見え方(位置、大きさ、広がり方、色合いなど)が変わるのです。気象光学現象の定番シミュレーションソフト「Halosim」を使って極端なサンプルを作画してみました。観察の参考にしてください。

下のA−F図は太陽高度10度、20度、30度、100%六角プレートのみで満たされ、その回転振れ幅が1度と12度それぞれの場合を描いたもの(ランダム要素はありません)。振れ幅が大きいほど縦に伸び、また太陽高度が低いほどそれが明るく見えることが分かるでしょう。またG・H・I画像は実際に撮影した幻日のバリエーション。本物の空で100%均一な運動をする氷結晶などあり得ませんが、このような特徴を知っていると「いまあの空にはこんな形の氷結晶がこんな運動をしてるかも!」などと想像が膨らみます。

  • 幻日・太陽高度10度・氷結晶回転振れ幅1度

    A.太陽高度10度
    結晶回転振れ幅1度
  • 幻日・太陽高度20度・氷結晶回転振れ幅1度

    B.太陽高度20度
    結晶回転振れ幅1度
  • 幻日・太陽高度30度・氷結晶回転振れ幅1度

    C.太陽高度30度
    結晶回転振れ幅1度


  • 幻日・太陽高度10度・氷結晶回転振れ幅12度

    D.太陽高度10度
    結晶回転振れ幅12度
  • 幻日・太陽高度20度・氷結晶回転振れ幅12度

    E.太陽高度20度
    結晶回転振れ幅12度
  • 幻日・太陽高度30度・氷結晶回転振れ幅12度

    F.太陽高度30度
    結晶回転振れ幅12度


  • 20160102幻日

    G.2016年1月2日
  • 20150930幻日

    H.2015年9月30日
  • 20171102幻日

    I.2017年11月2日


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