衛星画像どこが変わった?2017/12/22

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    2017年11月29日18:00
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    2017年12月14日16:30

まずは上の画像をご覧ください。これはアメリカの静止気象衛星GOES-16(打ち上げ時名称:GOES-R)が撮影したそれぞれの日時の様子。日が違うので雲などは変化していますが、それ以外にもっと大きな変化があるんです。分かりますか?

実は、地球上に見えている地形の位置が違います。もちろん大陸が移動してしまったという話は聞きませんから、これは「撮影しているGOESの位置が変わった」のですね。2016年11月に打ち上げられたGOES-Rは2017年11月末まで当初の予定位置よりも西にずれた場所で待機(試験運用)していました。今月前半に予定位置まで衛星を移動する作業が行われ、18日から正式運用が始まったのです。静止気象衛星と言いながらも、こうして静止軌道上を行き来する機能を持たせているんですね。

衛星直下点の経度、つまり地球画像中心の経度で言うと、11月までは西経89.5度(待機位置)だったものが、今は西経75.2度(運用位置)という変化。約15度東へ移動したため、アフリカの西海岸がちょっと見えるようになりました。ここはハリケーンや砂塵嵐が生み出される場所ですから重要です。

GOESシリーズは西経75度上で大西洋側を監視する東チーム「GOES-EAST」と、西経135度上で太平洋側を監視する西チーム「GOES-WEST」で二元運用されており、GOES-16は晴れてGOES-EASTの主となりました。なおNASAのスケジュールによれば、次のGOES-Sは2018年3月に打ち上げられる予定です。GOESシリーズのR、S、T、Uは四つ子の同型衛星として製造されています。

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