街中で観たふたご座流星群2017/12/15

2017ふたご座流星群1

A.13日22:35

2017ふたご座流星群2

B.14日00:06

2017ふたご座流星群3

C.14日01:05

2017ふたご座流星群4

D.14日02:42
今年2017年のふたご座流星群は月明かりの影響も無く好条件でした。当地・茨城では12月14日夜-15日朝の時間はほぼ曇りだったのですが、12日夜-13日朝および13日夜-14日朝はよく晴れて、空翔る流星をたくさん見ることができました。

記録を残すため、簡単な機材で連続撮影をしました。他の天体観察もあって、12日夜は総計88分、13日夜は総計278分の撮影時間です。12日夜は散在流星1個(→13日の記事参照)、13日夜は群流星4個を捉えることができました(左画像)。

街中での流星撮影の難しさたるや、やったことがない方にはなかなか理解していただけないと思います。どこに流れるか分からない流星は「広視野+暗い空」が欠かせないのですが、私の住まいは中級の街でかなりの光害地。(街の大小に関わらず、至近の街灯や住宅・コンビニなどの明かりは避けようもありません。)流星捕捉数をなるべく上げるには絞りを開け、感度を上げないといけませんが、街中でそれをしたらあっと言う間にまっ白になります。街中での撮影条件はその日の透明度や時間帯で大きく変わるので、星雲や銀河の拡大撮影よりずっとシビアに感じます。また運良く短時間露光で撮影可能としても、ひと晩撮っただけで1000の桁に届く枚数になるでしょう。その一枚一枚から流星を見つける果てしない作業もあるんです。

「どこか山奥にでも行けば良いのでは?」と言われますが、障害のため遠出が出来ない体なので、条件良い場所へ出かけることも叶いません。よって、アパートの庭先で観察することになります。それでも挑戦することに、何か大事な意義を感じています。条件良い観察地で流星群そのものを解明するのも大事なら、人の住む街中で流星群を通じて空の環境を調べることだって大切でしょう。大流星群の日、晴れてるのに1つも流れ星が見えない大気なら、間違いなく危機的環境と思います。

左画像は原画から3000ピクセル四方を切り出し、リサイズしたもの。16mmレンズ開放+APS-Cカメラで30秒露出の繰り返しです。ガイド撮影なので星は点像ですが、広角レンズの開放では写野縁近くで大きな収差が発生します。広写野撮影なので、立地条件に併せなければならず、画像の向きはバラバラです。また必ず光害が入ってしまうので、コントラストと色合い以外はスカイ補正もせずそのまま掲載しました。

B画像はたまたま流星群の母天体である小惑星ファエトンと同一写野となり、母子共演になりました。(※ただしファエトンは10等級で、残念ながら画像上で判別できない暗さです。)このようなショットを撮りたかったので大満足!画像では細々とした線でも実際は0等級以上の明るい流星と思われます。ピークを迎えた14日夜は曇られましたが、前夜までいずれの日も眼視ではかなり数えることが出来ました。人間の目って、すごいんですね。

2018年のふたご座流星群もなかなかの好条件。楽しみに待つとしましょう。