月・金星・木星の接近はなかなか起こらない2017/11/17

20171117・月・金星・木星
今日17日の日の出前のこと。間もなく新月を迎える細い月が東に登り、13日に大接近したばかりの金星や木星と共に空を飾りました。ひと目見たくて待機していたのですが、当地・茨城では雲が多くて全く見えませんでした…。

左はStellariumによるシミュレーション。一番離れている月と金星でも離角約5.5°ですから、三つの天体が小型双眼鏡の視野にすっぽり入るほど接近していたことになります。

太陽の次に明るい天体であるお月さま。そして惑星としてコンスタントに明るい金星と木星。この三つは天然の天体としてトップ3の光度です。このうち二つの接近は割と頻繁に起こりますが、三つがいっぺんに会合するチャンスはなかなかありません。右下図は月・金星・木星で、お互いの離角がどう変化するかを2017年の頭から3年間計算したもの。縦軸は離角(度)で、グラフが下がるほど互いに接近していることを表します。グラフ下部のクリーム色の範囲は離角5°以内で、ここに入れば誰もが「近い」と感じるでしょう。

月・金星・木星の離角(2017-2019年)
月は約1ヶ月で空を一周しますから、「月と金星/緑線」、あるいは「月と木星/青線」のグラフは細かく上下し、接近はほぼ毎月起こります。ところが「金星と木星/赤線」は年に1回あるかないか。そして両惑星接近のタイミングで月が近くにいなければ、三天体接近は起こらないのです。その上、接近したからと言って必ず見えるとは限りません。接近は基本的に金星の(太陽に対する)最大離角の範囲で起こります。真夜中には決して起こらず、当然太陽に近い空であるわけです。月は必ず細くなり、三天体同士の離角だけでなく太陽との離角も考慮しなければなりません。

右グラフの線の所々が薄い色になっていますが、そこは該当天体のどちらかと太陽との離角が15°以内になっていることを表します。月なら新月前後、金星なら内合や外合前後、木星なら合前後の期間です。今日の接近は正にそうですね。太陽離角の他に黄道の地面に対する角度なども関係するでしょう。このあたりの「見え辛さの理屈」は内惑星のそれと全く同じです。今回はたまたま金星と木星の大接近直後に月がやってきましたが、例えば2019年お正月および2月頭の三天体は「だいぶ離れた接近」となるでしょう。次に互いが接近するのは2019年11月28日の夕方になります。ただし超低空ですからかなり見辛いかも知れません。貴重なチャンス、晴れてほしいものですね。

下にこれまで見ることができた月・金星・木星の接近画像を3例掲載しておきます。朝か夕かは月の光っている向きで分かりますね。2005年の画像は九州に上陸した台風14号が日本海へ抜けた晩でした。ものすごい風の中で鮮やかな夕焼け雲がビュンビュン流れ、飛ばされそうになりながら撮影したことを覚えています。また2008年の「ニコちゃんマーク」は世界中で色々な表情が見られ、話題になりました。2012年も日本の南にあった台風7号の影響が出始め、強風で雲や木々が舞う中の撮影でした。

  • 20050907・月・金星・木星

    2005年9月7日
  • 20081201・月・金星・木星

    2008年12月1日
  • 20120716・月・金星・木星

    2012年7月16日


参考:
金星はなかなか火星に接近しない!?(2016/11/23)

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