満月のとき、地球の影はどこにいるの?2017/08/08

20170808部分月食図
今朝方は全国的に観察可能な部分月食が起こりました。ただ台風5号が本州を横断中だったため、観察できた地域は限られたでしょう。当地・茨城県南部は夜半まで時々大雨(私の街では大雨警報発令中)、夜半を過ぎて落ち着きましたが、時折小雨の空模様でした。明け方に月のある方向の雲がぼんやり明るくなっていましたが、月食は確認できませんでした。

左図は今回いちばん欠けた頃のシミュレーション。月直径の約25%が赤銅色に染まる予定でした。実際は見えませんが、月軌道まで地球の影が届いており、図の位置に本影と半影が広がっていました。地球は大気に覆われているため、ここにスクリーンを広げても本影や半影の縁が線のようにはっきり見えることはありません。

ところで、二週ほどまえの新月時に書いた記事で、「毎月の新月は太陽からどれくらい離れているか」ということを考察しました。同様のことを満月に当てはめると、近くに必ず地球の影があるはずです。

「満月は地球を挟んで太陽の反対に位置する」と言いますが、月食が毎回起こるわけではありませんから、完全な正反対(=地球影内を通過する)というわけではありません。今日のように影の中に月が入れば月食が起こり知覚できますが、入らない満月もたくさんあります。そこで、「毎月の満月のとき、地球の影からどれくらい離れているか」を計算してみました。

満月時の月−地球影離角
右がその結果。今回も自作プログラムを作り、今年を含む前後5年間の全ての満月について「月中心と地球影中心の離角」をグラフにしました。地球上のどこかで月食になる満月には赤丸を付けました。(※各中心間離角が最小になる時刻と満月の時刻は異なります。)新月の場合と同様に周期性がありますね。また新月・満月ふたつのグラフをぴったり重ねると驚くような対比が現れますが、それはみなさんへの課題としましょう。

次回、日本で見える月食は来年2018年1月31日の皆既月食。21時前から欠け始め、22:30頃に食最大を迎えます。とても条件が良いですから期待して待っててください。また右グラフの通り、その次の2018年7月28日皆既月食は地球影中心にかなり近いです。地球影中心に近いほど月食は暗くなるため、ひと味違う見え方が期待できます。ただし日本の大部分では月沈後に食最大となるため、肝心のシーンを見ることはできません。

月食説明図
参考までに、皆既月食のとき地球影中心と月中心が極めて近いことは珍しく、1950年から2050年で0.1°以下となるケースを計算すると、1953年7月26日(0.0040°)、1971年8月7日(0.0782°)、1982年7月6日(0.0527°)、2000年7月16日(0.0273°)、2011年6月16日(0.0879°)、2029年6月26日(0.0137°)、2047年7月7日(0.0588°)だけでした。私はこのうち2000年7月の月食をリアルタイムで観察しましたが、食最大のころは月を見失うほど暗く、暗い流星の観察さえ可能だったことを覚えています。

参考:
アーカイブ:皆既月食の一覧
アーカイブ:部分月食の一覧
連続する半影月食のヒミツ(2016/08/17)
日食とペアになる月食(2016/03/10)

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