2017年の旧暦七夕はとても遅いのです2017/08/05

七夕の星々
8月の今ごろに七夕関連行事が催される地方は少なくありません。「月遅れの七夕」である8月7日が週末とは限らないけれど、集客を期待して日付が近い8月最初の土日という設定でイベントが組まれるのでしょう。ところで「月遅れの七夕」は「旧暦七夕」とは違います。今年の旧暦七夕は…?なんと、8月28日。まだ三週間以上も先ですね。この異例の遅さは1998年以来のこと。じゃ、いったいどれくらいまで遅くなるのでしょう?ちょっと考察してみました。

国立天文台では「旧暦七夕」を「伝統的七夕」と言い換え、2001年より普及に努めています。これに際して、旧暦(太陰太陽暦)での決め方を考慮しつつ、次の様に再定義しました(→国立天文台による解説)。

『二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日かそれよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目が「伝統的七夕」の日』

暦のしきたりや計算に慣れてない方にとっては「なんのこっちゃ?」ですよねぇ(笑)。現在の「処暑」は8月23日あたりですので、上の文は『8月23日以前で8月23日に一番近い新月から7日目が旧暦七夕』という意味。ということは「旧暦七夕は処暑+7日以降にはならない」のです。もし「処暑=新月」となる年なら、そのときの旧暦七夕は「これ以上ないくらい遅い七夕」になるはず。ただし、この計算には落とし穴があります。それは「処暑が固定された日ではない」ということ。他の二十四節気…例えば春分や冬至などが毎年微妙に違うように、処暑も変化します。従って「これ以上ないくらい遅い七夕」の基準も変化してしまうのです。

どのように処暑が変わったとしても「処暑=新月」となる年の旧暦七夕は遅いです。そこで、処暑と新月のマッチングを計算するプログラムを作り、1900年から2100年の201年間、下表の通り三種の条件で年をピックアップしました。結果から大雑把に言えるのは、「処暑は緩やかに早まっているため、昔の七夕ほど少し遅かった」ということ。(※ただしこの期間しか計算してないのでずっと過去までそうなるとは言い切れません。)この計算範囲で一番遅い旧暦七夕は8月30日ですが、1987年を最後に登場しなくなりました。あと2世紀くらい前を計算したら新暦9月1日が旧暦七夕なんていう日が見つかるかも知れません。(※旧暦が廃止され今の暦になったのは1873年(明治6年)のことでした。)

あまり遅いと忘れ去られちゃう旧暦七夕。「夏の星祭りが8月末だなんて遅いよ!」って思われそうですが、これは7月7日という日付だけひとり歩きしてることによる誤解です。俳句での「七夕」は秋の季語。感覚的には初秋のお祭りなんですから。伝統行事もモール街のイベントも一緒くたに「夏休み」とか「週末」といった人間の都合に絡める考え方が、七夕文化を歪ませてしまったのかなぁと感じました。

【遅い旧暦七夕・1900-2100年調べ】
『処暑当日=新月』
新月(旧暦七夕)
『処暑の1日前=新月』
新月(旧暦七夕)
『処暑の2日前=新月』
新月(旧暦七夕)
1911年8月24日(1911年8月30日)
1930年8月24日(1930年8月30日)
1941年8月23日(1941年8月29日)
1987年8月24日(1987年8月30日)
2025年8月23日(2025年8月29日)
2036年8月22日(2036年8月28日)
2055年8月23日(2055年8月29日)
2074年8月23日(2074年8月29日)
2093年8月22日(2093年8月28日)
1903年8月23日(1903年8月29日)
1922年8月23日(1922年8月29日)
1960年8月22日(1960年8月28日)
1979年8月23日(1979年8月29日)
1998年8月22日(1998年8月28日)
2017年8月22日(2017年8月28日)
1933年8月21日(1933年8月27日)
1952年8月21日(1952年8月27日)
2028年8月20日(2028年8月26日)
2047年8月21日(2047年8月27日)
2066年8月21日(2066年8月27日)
2085年8月20日(2085年8月26日)

参考:
アーカイブ:伝統的七夕・中秋の名月の一覧

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