転進しつつある台風5号2017/07/25


20170724-1500気象衛星画像
本日の当地・茨城はずっと曇りで、夕方からは雨が降ってきました。関東圏では埼玉や東京、栃木を中心に雷雨、全国でも日本海側などあちこちで大雨だったようです。今夕は月による水星掩蔽という珍しい現象があったのですが、日本で見えたところはあったでしょうか…。

左は本日15:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。日本の大部分が前線の雲に覆われています。赤点円は台風5号中心の直径1000km円。また緑線は5号が通ってきた経路(熱帯低気圧時期を含む)。一度は日本から遠ざかっていましたが、明日にかけて再び西向きに転進するみたい。無茶苦茶なコースを進んだあげく上陸して東北・北海道を中心に大きな被害を出した昨年の2016年台風10号のケースも記憶に新しいから心配ですね。

5号のすぐ北側に見える台風6号は弱まって、明日には熱帯低気圧へダウングレードするとのことです。台風8号は上陸しつつありますが、こちらも少ししたら弱まってくれるでしょう。いっぽうフィリピン東沖にあった低気圧が15:00の天気図から熱帯低気圧表示に変わりました。

20170725-1500台風5号
これはまだ台風になるかどうか分かりませんが、熱帯低気圧のままでも大雨を降らせますから注意しなくちゃいけません。それにしても日本の北東海上の雲、異常に発達してますね。何があったのでしょ?

台風の発達具合を見るため、上と同じ15:00にひまわりが機動観測域として撮影した台風5号画像からバンド3・4・5を使って右のナチュラルカラー画像を構成してみました(元画像はRAMMB)。台風の腕に沿った雲がマッチョの筋肉のように主張してますね。

気象衛星のナチュラルカラー画像とは可視光によるRGB画像と違います。細かい波長毎に撮影した赤外線域まで使って、その特性を活かしつつ自然な風合いに仕上げる画像処理です。凍った領域(発達した氷粒による雲や流氷など)は水色、低層の水粒による雲は白っぽくなり、前線や台風の発達具合が分かりやすくなります。今回初めてやってみたのですが、簡単な処理の割に想像以上に分かりやすく仕上がって驚きました。

(23時追記)台風6号と台風8号は21時に熱帯低気圧となりました。また上画像のフィリピン東沖にある熱帯低気圧は同時刻に「1日程度で台風になるかも知れない」として告知され始めました。なお5・6・7号のトリプル期間は24時間、5・6・8号のトリプル期間は54時間でした。


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