月と木星の接近を日没前から楽しむ ― 2017/06/04
金星に次いで明るい星である木星は、衝をはさんで前後数ヶ月もの期間-2.0等星より明るくなります。この明るさは透明度の良い空なら肉眼で見えるほど。とは言え目標物がないと金星よりはるかに難物なわけですが、近くに月がやって来るチャンスを活かして挑戦できます。
今日の木星は-2.2等。しかも5°ほど離れたところに月があり、昼間探すのには絶好の条件でした。月がある程度高くなる時間は雲が多めだったのですが、日没が近づくに連れて南側が晴れてきました。南中前の月が青空の中で煌々と輝き始めています。
日没30分前。まず小さな3cm双眼鏡で月を見ると、同じ視野に輝く木星はすぐ見つかりました。機材を使えば昼時でも木星は余裕です。次にアタリを付けて肉眼で挑戦。でも薄雲が流れて、なかなか見つかりません。間をおきながら何度か挑戦…やっと日没15分ほど前に裸眼で確認できました。左画像は日没約6分前の撮影です。画像右寄りに木星が写っていますね。ちょうど双眼鏡で見たイメージに近いです。この撮影時、まだ正面にあった隣家の壁に夕日が差していました。
暗くなった20時過ぎ。空に淡い雲が流れ始めましたが、月と木星の接近を観察しました。両星の最接近は今朝9時過ぎ(月が昇る前)だったので、今夜の月はだんだん木星から遠ざかっています。
近くにはスピカもいました。また木星の近くには約1ヶ月前の5月8日に掩蔽のあったポリマも輝いていました。ここは月の通り道に当たるため、いまは毎月のようにポリマ掩蔽が起こります。今月は中央アジアからヨーロッパで、そして来月7月頭にはアメリカ付近、更に7月28日に日本で見ることができます。
参考:
アーカイブ:昼間に月と金星が近い日
アーカイブ:天体の接近現象一覧
今日の木星は-2.2等。しかも5°ほど離れたところに月があり、昼間探すのには絶好の条件でした。月がある程度高くなる時間は雲が多めだったのですが、日没が近づくに連れて南側が晴れてきました。南中前の月が青空の中で煌々と輝き始めています。
日没30分前。まず小さな3cm双眼鏡で月を見ると、同じ視野に輝く木星はすぐ見つかりました。機材を使えば昼時でも木星は余裕です。次にアタリを付けて肉眼で挑戦。でも薄雲が流れて、なかなか見つかりません。間をおきながら何度か挑戦…やっと日没15分ほど前に裸眼で確認できました。左画像は日没約6分前の撮影です。画像右寄りに木星が写っていますね。ちょうど双眼鏡で見たイメージに近いです。この撮影時、まだ正面にあった隣家の壁に夕日が差していました。
暗くなった20時過ぎ。空に淡い雲が流れ始めましたが、月と木星の接近を観察しました。両星の最接近は今朝9時過ぎ(月が昇る前)だったので、今夜の月はだんだん木星から遠ざかっています。
近くにはスピカもいました。また木星の近くには約1ヶ月前の5月8日に掩蔽のあったポリマも輝いていました。ここは月の通り道に当たるため、いまは毎月のようにポリマ掩蔽が起こります。今月は中央アジアからヨーロッパで、そして来月7月頭にはアメリカ付近、更に7月28日に日本で見ることができます。
参考:
アーカイブ:昼間に月と金星が近い日
アーカイブ:天体の接近現象一覧
今日の太陽 ― 2017/06/05
昨夜から今朝にかけてはほぼ曇っていました。明け方近くに雲がやや少なくなりましたが、もう薄明が始まっていました。朝からは晴れ間が多かったですが、太陽望遠鏡が向けられる午後の時間になったら太陽周囲の雲だけしつこく残り、結局左の撮影ができたのは16時を過ぎた頃です。
太陽像をひと目見るなり、右上の明るいフレアに気付きました。あとでNOAAサイトなどで確認すると、このフレアは記録が載りませんでしたが、中央左上寄りの活動領域12661で14:14頃からC2.7クラスが起こったようです。ちょうど雲間がなかなかやってこなくてヤキモキしていた頃だったので残念…。左リムのプロミネンスはなかなか立派でした。空は明日辺りからゆっくり下り坂のようです。
太陽像をひと目見るなり、右上の明るいフレアに気付きました。あとでNOAAサイトなどで確認すると、このフレアは記録が載りませんでしたが、中央左上寄りの活動領域12661で14:14頃からC2.7クラスが起こったようです。ちょうど雲間がなかなかやってこなくてヤキモキしていた頃だったので残念…。左リムのプロミネンスはなかなか立派でした。空は明日辺りからゆっくり下り坂のようです。
2017年で最も日の出が早いシーズンです ― 2017/06/07
★ブログ内で「日の出・日の入り」や「暦」をテーマに取り上げた関連記事・アーカイブは別ページにリストアップしています。日出没時刻やその最早最遅日は年や場所で変化しますから、記事日付をよく確認の上ご覧ください。
【日の出が最も早い日と日出時刻・2017年調べ】
場所 | 最早日・日出時刻 |
---|---|
日本最南端(東京都・沖ノ鳥島) | 6月 7日(水)05:15 |
日本最東端(東京都・南鳥島) | 6月 9日(金)03:55 |
沖縄県(石垣市) | 6月 9日(金)05:54 |
日本最西端(沖縄県・与那国島) | 6月 9日(金)05:59 |
東京都(小笠原村) | 6月10日(土)04:36 |
鹿児島県(奄美市) | 6月10日(土)05:23 |
沖縄県(那覇市) | 6月10日(土)05:36 |
東京都(八丈町) | 6月12日(月)04:30 |
高知県(高知市) | 6月12日(月)04:55 |
愛媛県(松山市) | 6月12日(月)04:56 |
大分県(大分市) | 6月12日(月)05:03 |
熊本県(熊本市) | 6月12日(月)05:07 |
福岡県(福岡市) | 6月12日(月)05:07 |
宮崎県(宮崎市) | 6月12日(月)05:07 |
佐賀県(佐賀市) | 6月12日(月)05:08 |
長崎県(長崎市) | 6月12日(月)05:11 |
鹿児島県(鹿児島市) | 6月12日(月)05:12 |
富士山山頂 | 6月13日(火)04:17 |
栃木県(宇都宮市) | 6月13日(火)04:19 |
茨城県(水戸市) | 6月13日(火)04:19 |
茨城県(つくば市) | 6月13日(火)04:21 |
千葉県(千葉市) | 6月13日(火)04:23 |
東京都(新宿区) | 6月13日(火)04:23 |
群馬県(前橋市) | 6月13日(火)04:23 |
長野県(長野市) | 6月13日(火)04:24 |
埼玉県(さいたま市) | 6月13日(火)04:24 |
東京都(日本経緯度原点) | 6月13日(火)04:25 |
神奈川県(横浜市) | 6月13日(火)04:25 |
山梨県(甲府市) | 6月13日(火)04:26 |
富山県(富山市) | 6月13日(火)04:31 |
静岡県(静岡市) | 6月13日(火)04:31 |
石川県(金沢市) | 6月13日(火)04:34 |
愛知県(名古屋市) | 6月13日(火)04:36 |
岐阜県(岐阜市) | 6月13日(火)04:37 |
福井県(福井市) | 6月13日(火)04:37 |
三重県(津市) | 6月13日(火)04:39 |
滋賀県(大津市) | 6月13日(火)04:40 |
奈良県(奈良市) | 6月13日(火)04:41 |
京都府(京都市) | 6月13日(火)04:41 |
大阪府(大阪市) | 6月13日(火)04:43 |
兵庫県(神戸市) | 6月13日(火)04:44 |
和歌山県(和歌山市) | 6月13日(火)04:46 |
鳥取県(鳥取市) | 6月13日(火)04:47 |
徳島県(徳島市) | 6月13日(火)04:49 |
岡山県(岡山市) | 6月13日(火)04:50 |
島根県(松江市) | 6月13日(火)04:51 |
香川県(高松市) | 6月13日(火)04:51 |
広島県(広島市) | 6月13日(火)04:57 |
山口県(山口市) | 6月13日(火)05:00 |
岩手県(盛岡市) | 6月14日(水)04:04 |
秋田県(秋田市) | 6月14日(水)04:10 |
宮城県(仙台市) | 6月14日(水)04:11 |
山形県(山形市) | 6月14日(水)04:12 |
福島県(福島市) | 6月14日(水)04:14 |
新潟県(新潟市) | 6月14日(水)04:21 |
北海道(根室市) | 6月15日(木)03:35 |
北海道(札幌市) | 6月15日(木)03:54 |
北海道(函館市) | 6月15日(木)04:01 |
青森県(青森市) | 6月15日(木)04:04 |
日本最北端(北海道・択捉島) | 6月16日(金)03:15 |
北海道(稚内市) | 6月16日(金)03:43 |
位置がずれると言っても、もちろん見かけ上のお話し。原因は太陽そのものでなく私たちの住む地球側にあります。いくつかの要因が重なり「太陽がずれたように見える」のですが、もっとも大きな要因をたどると「うるう日の挿入」の理屈に行き着きます。
「太陽を4周する」というのを365日×4回でカウントすると約1日ぶん動き足りない地球の公転。1年あたり約0.25日の移動距離に相当する公転不足があります。人は1日単位で区切って暮らしてますが、自然周期が社会のリズムに合わせてくれるわけではありません。自転周期×365回と公転周期×1回は近いけれど一致しないのですね。公転不足は太陽の見かけのずれを生み、日出最早日やダイヤモンド富士などの「4年周期ずれ」が発生するのです。
不幸なことに、日本はいま天気が悪くなりがちな梅雨の時期。日の出の微妙な差なんて感じることもできないような日々を送っていますね。
右表でもっとも「最早日」が早いのは日本最南端。だんだん北上し、最北端で終了します。でもこの表では断片的にしか分かりません。そこで、2017年1月6日の記事で作った最遅日マップ描画プログラムを改造し、日出最早日マップを描いてみました。記事末に掲載しましたのでご覧ください。赤線が日出最早日の境界、ライトグレイの格子線は2°ごとの経緯線。日出最遅日マップと似ていますが、境界線の間隔や日付の上下順が違うし、境界線は緯線に対して「右下がり」です。
間違えないようあらためて書くと、この図は「日の出マップ」ではなく「最早日の分布図」です。「日の出マップ」は日付を固定しなければ描けません。一例がアーカイブ「地図で見る日出没の季節変化」に掲載してありますので、ご興味ある方はそちらをどうぞ。
右表でもうひとつお気づきと思いますが、例えば稚内と石垣について日付を気にせず比べると、日出時刻差が実に2時間以上もありますね。「夏の北海道は朝がめっちゃ早い」と言われますが、夏の太陽は北東方向から昇りますから朝が早いのは当たり前。それにしても道外の人なら「3時台に日が登る夏の北国」に驚愕するのでは?
昨日から梅雨入りした関東 ― 2017/06/08
昨日関東まで一気に梅雨入り宣言されました(ただし速報値)。関東は昨年に比べ2日遅く、平年差では1日早い梅雨入りです。
左画像は今朝8日6時前の南空。雲底の変化が面白く、しばらく見入ってしまいました。でもずーっと見続けるには色に乏しいですね。西日本では二日前から雨模様でしたが、私が住む茨城南部で降り出したのは昨日夜に入ってからでした。数週前の連続夏日が嘘のようで、ここ数日は夜かなり冷え込む…というより一律に涼しく感じます。昨日7日に測定された県内全アメダスポイントの最高最低気温差平均は、たったの6.82度でした。
右に気象庁サイトから今朝3:00JSTの地上天気図を引用します(着色は筆者)。梅雨前線と言うより春先に日本を横切ってゆく低気圧みたいな気圧配置…。でも1週間など長いスパンで観察すると雨雲が居座っている様子が分かります。
昨年のこの時期は「空梅雨」「水不足」といった言葉を頻繁に聞きました。首都圏の水がめ、利根川水系上流にあるダムの渇水が危ぶまれ、実際に2016年6月16日から取水制限もありましたね。では、今年は大丈夫なのでしょうか?
右図は利根川上流8ダムの合計貯水量について、平均値・2016年・および2017年(6月6日まで)をグラフにしたもの。昨年水不足の主な原因とされたことは二つあって、ひとつは春先までの積雪量の少なさでした。今年は1月上旬まで平年を下回っていたものの、中旬から平年を上回る積雪となりました。おかけで春先まで非常に少なかった貯水が5月までに持ち直し、現時点の貯水率はほぼ100%。農作業で潤沢な水が必要となるこの時期に十分な水量があるのはありがたいことです。
でももうひとつの懸念材料はこれからの貯水を左右します。それは「適度な降水」。平たく言うと、梅雨と台風です。空梅雨になってしまうのか、台風が適当数やって来るのかはまだ分かりません。少なくとも台風は4月に日本から遠いところで一つできたっきり、その後は音沙汰なし。6月末までの台風発生平年値は4.1個、接近数は1.6個なので、数値上は去年並みに「台風不足」ですね。右グラフは下がり始めており、貯金(雪)もそろそろ底をつきますから、ちょっぴり心配…。
参考:
梅雨が明ける順は…?(2015/07/20)
左画像は今朝8日6時前の南空。雲底の変化が面白く、しばらく見入ってしまいました。でもずーっと見続けるには色に乏しいですね。西日本では二日前から雨模様でしたが、私が住む茨城南部で降り出したのは昨日夜に入ってからでした。数週前の連続夏日が嘘のようで、ここ数日は夜かなり冷え込む…というより一律に涼しく感じます。昨日7日に測定された県内全アメダスポイントの最高最低気温差平均は、たったの6.82度でした。
右に気象庁サイトから今朝3:00JSTの地上天気図を引用します(着色は筆者)。梅雨前線と言うより春先に日本を横切ってゆく低気圧みたいな気圧配置…。でも1週間など長いスパンで観察すると雨雲が居座っている様子が分かります。
昨年のこの時期は「空梅雨」「水不足」といった言葉を頻繁に聞きました。首都圏の水がめ、利根川水系上流にあるダムの渇水が危ぶまれ、実際に2016年6月16日から取水制限もありましたね。では、今年は大丈夫なのでしょうか?
- 2016年と2017年の元データは国土交通省・水文水質データベースの貯水履歴です。
- 平年値の元データは利根川ダム統合管理事務所サイトのデータです。
- 各日24:00時点の貯水量を集計しています。
- 8ダムのうちひとつでも欠測などあった日はグラフも空欄としました。
- うるう日は除いてあります。
でももうひとつの懸念材料はこれからの貯水を左右します。それは「適度な降水」。平たく言うと、梅雨と台風です。空梅雨になってしまうのか、台風が適当数やって来るのかはまだ分かりません。少なくとも台風は4月に日本から遠いところで一つできたっきり、その後は音沙汰なし。6月末までの台風発生平年値は4.1個、接近数は1.6個なので、数値上は去年並みに「台風不足」ですね。右グラフは下がり始めており、貯金(雪)もそろそろ底をつきますから、ちょっぴり心配…。
参考:
梅雨が明ける順は…?(2015/07/20)