2017年の夏至です2017/06/21

ホタルの乱舞
私の住む街の一角で見られたゲンジボタルの光景。外からは見えない、藪に流れる小川に沿って飛び交います。
本日、2017年の夏至を迎えました。当地・茨城県南部は朝に降り出した雨が次第に強くなっています。正午現在の気温は低く停滞し、雨が降り出す前の夜より少し低くなりました。

本来なら夏至の頃ともなれば夜でもかなり暑くなります。宵の気温が20度を軽く越し、蒸し暑さを感じる夜にはゲンジボタルが姿を現すシーズン。といっても近年は光害で夜が明るくなり、生息できそうな水辺も激減してますから、乱舞するほどではありません。県内のホタル生息地を幾つも訪ね歩きましたが、ホタルが多い地域ほど「人が苦労して生息環境を維持している場所」ばかり。なんともさみしい状況です。

ところでホタルは夜の昆虫というイメージが大きいけれど、夜しか生きられないわけではありません。明るく暑い日中は飛び回らず休んでいるだけで、注意深く探せば見つけることはできます。でも日差しを避けて暗い茂みに隠れているため、おいそれとは見つかりませんよ。人間もそうですが、熱中症にならないためには十分に涼しい日陰に入る必要があります。

赤道面と軌道面
(A)

赤道面と軌道面
(B)
同じ時刻でも季節によって方向がまるで違う太陽を避けるというのは案外大変。試しにお家の庭や近所のオープンスペースで「一日中、一度も日光が当たらない場所」を探してみてください。ほとんど見つからないと思いますよ。動物ならまだしも、根付いたら身動きの取れない植物なんて悲惨でしょう。多湿を欲する植物は、風媒花のように勝手気ままに命を移動させず、たどり着いた湿地でひたすら根を張り巡らして増える必要があるかも知れませんね。

2016年の冬至の記事に右(A)の「地球軌道と季節の関係図」を載せ、「このような図は季節によって日差しが変わるのをイメージしづらい」という主旨を述べました。一例ですが右(B)図のように地球を中心に据え、地軸を上下方向に揃え、地球から見た各季節の太陽を天動説的に描いたらどうでしょう。地球の赤道面に対して地球の軌道面は「地軸の傾き」だけ傾斜していますから、夏の太陽は少し上側(北)から地球を照らすことがよく分かります。この図で太陽がもっとも高くなる日が夏至と言うことですね。

高さだけでなく、太陽の見える方向も合わせて考えてみましょう。下に5つの街について、「2017年の年始から年末まで毎日、3時から21時まで1時間おきに太陽が見える方向を全てプロットする」という計算プログラムを作って描いたグラフを掲載しました。高さは0°(水平)から90°(天頂)まで、方位は0°(北)から東(90°)まわりで360°(北に戻る)までです。また赤い小さな丸は二十四節気の太陽位置、赤い大きな丸は夏至の太陽位置です。日本は小さな島国ですが、北から南まで比較するとこんなに太陽の見える方向にバリエーションがあります。みなさんはこの図からどんなことを学べますか?

  • 太陽の位置変化(札幌市)

    札幌市
  • 太陽の位置変化(つくば市)

    つくば市
  • 太陽の位置変化(神戸市)

    神戸市

  • 太陽の位置変化(鹿児島市)

    鹿児島市
  • 太陽の位置変化(那覇市)

    那覇市


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