半月ぶりの彗星たち、明るい超新星も2017/05/20

20170520ジョンソン彗星(C/2015 V2)
昨夜から今朝にかけて快星が持ちそうでしたので、幾つか天体を観察しました。(※撮影画像は上方向が天の北方向、上下画角は約0.7°です。)

まず、最盛期を迎えたジョンソン彗星(C/2015 V2)。うしかい座にあって、夜半前に天頂を通過するようになりました。彗星核は明るく、尾もしっかり見えています。当初の予想より暗くなってしまったようですが、なかなか立派ですよ。

20170520ジョンソン彗星(C/2015 V2)
左画像を白黒化・反転・ハイコントラスト処理したのが右画像。彗星頭部から右上に向かうダストの尾が画像端まで届いていますね。下向き(南向き)にイオンテイルも伸びているはずですが、全く写りませんでした。抜群に空の良いところでないとダメみたいです。

20170520タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)
お次はタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)。ヘルクレス座を出て一時的にこと座を横切り、16日からまたヘルクレス座を南下中です。

半月ぶりの撮影ですが、かなり暗くなってしまいカメラの液晶ではほとんど分かりませんでした。今回は運悪く恒星に重なってしまい、なんとも情けない写真…。でもまぁ、ぼんやり広がる緑色のコマや、右下向きにシュッと伸びた短い尾が確認できますね。

20170520_SN2017eaw
さて、明け方にもうひとつ狙いたいものがありました。ケフェウス座とはくちょう座の境界にある系外銀河NGC6946に突如現れた超新星「SN2017eaw」です。アメリカのPatrick Wigginsさんが14日に12.8等級で発見したばかりですが、この明るさは超新星としてかなり明るい部類です。

左は薄明が始まる前に撮影したもので、露出は24分。フェイスオン銀河の中にたくさんの恒星が写っていますが、▲印で示した星がSN2017eawです。

NGC6946(wikisky)
比較参考として、右にWIKISKYのNGC6946のキャプチャ画像を引用しました。超新星の位置(点線円)には明るい星なんてありませんね。無数に煌めく星の中から新たに光り出した星を見つけ出すなんて、本当にすごい労力です。

明け方に北東の空高く昇る銀河なのでとても見やすいです。大きめの望遠鏡を使える方はぜひご覧ください。それにしてもこの赤く染まった銀河、いかにも遠方って感じで格好いいなあ。

参考:
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)
タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)に関係する記事(ブログ内)

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