再び小惑星「2014 JO25」を雲間に捕らえる2017/04/22

20170421_木星近くの2014JO25
4月19日夜から20日明け方にかけ、地球に接近した小惑星「2014 JO25」を楽しめました。翌日夜にも見たかったけれど一晩中完全に曇り。昨夜21日から今朝にかけても雲が多い予報だったので諦めていたのですが、21-23時ごろわずかに晴れ間があったため、急きょ撮影を試みました。

晴れ間と言っても空全体が薄雲に覆われ、南に輝く木星も鈍い光り方です。12等台と思われる小惑星検出はハードルが高い空でした。といっても大げさな機材を組み立てる時間はなさそうな天気なので最初から諦め、ミニマム構成でトライしました。

運良く85mmレンズ+APS-Cだと木星と一緒の画角に入るため、簡単な赤道儀に搭載して30秒露光+30秒休みで数十コマ撮影しました。空は霞で明るく、どんどん厚みを増す薄雲に加えて木星付近を飛行機がしょっちゅう通るため、タイミング良く(悪く?)飛行機雲が横切ってしまうこともありました。

20170421_2014JO25
上画像は撮影したものの中から雲が少ない10コマぶんを恒星位置基準で比較明コンポジットしたもの。元画像ではいちおう12等星程度まで写っていますが、小惑星はノイズと判別不可能なほど暗くてよく分かりません。

そこで今度は小惑星位置基準でコンポジットし直してみました。移動天体の場合この方法を使えば一段暗い光度まで検出できるので優れた手段です。すると…右の通り、該当位置に小惑星「2014 JO25」がハッキリした点像として現れました。(こちらは20コマ合成、小惑星付近のみトリミングしてあります。)うん、順調に地球から遠ざかっていますね。悪いコンディションのなか悪戦苦闘の甲斐がありました。