小惑星「2014 JO25」が地球のそばを通過しました2017/04/20

20170420_2014jo25&m101
4月15日の記事でお伝えしたように、昨夜から今朝にかけて小惑星「2014 JO25」が地球に接近しました。この天体は地球に近づく小惑星のなかで比較的大きかったことから、アマチュアの小型望遠鏡でも姿を捕らえることができました。当地・茨城県南は夜通し6m/sを越すような西風が吹き荒れ、また夜半前は度々雲が飛来して難儀しましたが、なんとか撮影することができました。

左は「回転花火銀河」や「風車銀河」の愛称で親しまれるM101(画像右上のフェイスオン銀河)の側を通過する小惑星「2014 JO25」。この画像は20日1:03-1:35頃の撮影で、視野角が約2.5°×1.7°、上方向が天の北方向、1分インターバル(55秒露出+5秒休み)×33枚を比較明合成しています。小惑星は移動が速くて線状に写っており、左上から中央下に向かって進んでいます。とても明るくてビックリしました。

20170419_2014jo25
左上画像は125mm屈折望遠鏡での撮影ですが、口径が半分の60mm屈折望遠鏡でもちゃんと写りました。右画像はまだ日付を越す前の19日23:20前後、雲間を突いて撮影したもの。視野角が約5°×3.3°、上方向が天の北方向で、1分インターバル(59秒露出+1秒休み)×22枚を比較明合成しています。左上画像よりまだ少し暗く、移動も速くて写りにくかったはずですが、ちゃんと存在が分かりますね。

小惑星「2014 JO25」は20日夜から21日朝にかけても計算上まだ11等台をキープしながら、かみのけ座・おとめ座付近を移動しています。20日22時台に木星の19°ほど北側で南中しますので、とても見やすいでしょう。また23時台中盤には系外銀河M60とNGC4647(→APOD参考画像)に接触するくらい超接近するのも見所です。お天気の都合などで昨夜見えなかったみなさん、今夜晴れたらぜひ再挑戦してみてください。(→21日夜に挑戦した記事がこちらにあります。

今回の小惑星は地球から距離があったので安心していられましたが、例えば今回の百分の一くらいまで接近していたら肉眼でクッキリ見えたことでしょう。遠い将来にそんな小惑星が来るようなことになったとき、私たちは冷静に「天体ショー」として眺めていられるか、疑問ですね…。

【追記】NASAによる小惑星「2014 JO25」のレーダー観測が行われ(→関連ニュース)、雪だるまとかピーナッツのような形状をしていることが分かりました。ピーナッツの大きいほうの直径は620mとのことです。直径がスカイツリーの高さほどある“石ころ”と言うことですね。小さいほうは未発表ですが、画像からみて大きいほうの7割くらいでしょうか。


参考:
ハロウィン小惑星が接近中(2015/10/24)
地球をかすめていった小惑星2017EA(2017/03/06)

今日の太陽2017/04/20

20170420太陽
今日は二十四節気の「穀雨」。地球が原点の「春分」から30°公転し、1年の1/12が過ぎたのです。何だかあっと言う間…。昨夜は夜半まで雲が多く、明け方が近くなるほどよく晴れました。ただ夜通し風が強く、立っているのも辛いほど。地球近傍小惑星を見たあと彗星もと思っていましたが断念…。朝からはよく晴れていますが、所々に巻雲が湧いています。

左は9:40前の太陽。陽気と薄雲のせいか、大気は乱れまくっていました。活動領域12651がだんだんはっきりしてきましたね。近くのリムに見えるプロミネンスも見事です。新しい活動領域も期待できそう。

20170420太陽リム
4月に入って穀雨らしい雨は度々降っていますが、今年は風が強い日が多いような気がします。昨年はこの時期から関東の水不足が心配されていましたが、今年は雪が結構積もったようなので大丈夫でしょうか。

夕方に小さな幻日2017/04/20

20170420幻日
外出先から徒歩帰宅中、西空高くにごく淡い環天頂アークが見えました。天気は下り坂で色々な種類の雲が空を覆っています。そのなかの大きな鱗状に見える雲にアークが見えたのでした。でも安全に写真が撮れる場所へ移動する数分間の間に消えてしまいました。(後でユーティリティ「太陽高度とアークの時刻表」で調べたら、見え辛くなるギリギリの時間でした。)

その後自宅までの道すがら何か見えないかと探していたところ、太陽左側に小さな幻日を発見(左画像)。透明感があって色彩がはっきりしていました。道にたたずみ、しばし堪能…。太陽右側の幻日は見えません。数分後この幻日も消えてしまいました。