ニューカレドニアを直撃したサイクロンCook2017/04/11

20170410-1200サイクロンCook
昨日から今日にかけて、本州以南の多くの地域は雨となっているようです。花散らしの雨だけれど、春の雨はこの後に続く暑い夏へ向けて大切な恵みとなるでしょう。

ところで先月末オーストラリア北東部に上陸したサイクロンDebbieが大きな被害をもたらしたばかりですが、今度は東にやや離れたニューカレドニア近辺にも別のサイクロンがやってきたようです。左は気象衛星ひまわりによるサイクロン「Cook」の画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。これは昨日10日12:00JSTのもので、ちょうどサイクロンの目近くにある大きな島がニューカレドニア島です。この数時間後にCookは島中央に上陸しました。

【サイクロンCookの移動速度】
日時(JST)最大風速
(m/s)
移動速度
(km/h)
4月8日 15:0020.615.7
4月8日 21:0025.715.2
4月9日 3:0028.39.3
4月9日 9:0030.97.4
4月9日 15:0033.410.7
4月9日 21:0036.012.9
4月10日 3:0038.620.7
4月10日 9:0043.718.8
4月10日 15:0043.724.1
4月10日 21:0038.622.2
4月11日 3:0033.419.2
4月11日 9:0028.322.8
気象衛星でこのサイクロンを追いかけてみると、かなり移動がゆっくりである印象を受けました。今日正午時点では島の南に離れ、またサイクロンの雲自体も衰えてきたようですが、まだ雲の渦の北端が島にかかっています。

右表はUS Naval Research Laboratoryにあるサイクロン位置速報を元に、今日9:00JSTまでの移動速度を計算したもの(6時間ごとの移動距離を算出し、時速に換算)。最大風速も併記しました。多くの時間帯で移動が時速20kmに達しておらず、非常にゆっくりした動きであったことが分かりますね。日本に来る台風の場合、移動が時速20km程度だと「のろのろ台風」などと言われてしまうでしょう。当然ながら移動が遅くて一箇所に留まる時間が長くなるほど被害が拡大します。

海洋の島々はスケールがないと大きさの感覚が麻痺します。ニューカレドニア島は細長い島で、長い方向に沿って測ると400kmくらいあります。九州の南北距離より長いくらいですね。不幸中の幸いなのは短辺方向に横切ってくれたことくらいでしょうが、こんなに移動が遅いサイクロンが直撃となればたいして変わらないかも知れません。被害が少ないことを祈ります。

参考:
オーストラリア北東部の洪水はまだ続いている(2017/04/05)

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