天気崩れ気味の夜空に輝く彗星たち2017/03/25

20170325タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)
昨夜から今朝にかけて晴れの予報だったため、もう月明かりの影響が少なくなったことから彗星観察の体勢を取って夜を待ちました。ところが頻繁に薄雲が空を覆い、夜半までは全く撮影できませんでした。26日に天気が崩れる予報で、もう影響が出てきたのでしょうか。

ようやく夜半過ぎにやや持ち直したため、まずはタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)を狙います。(目では見えないような淡い雲があったようで、背景の光量が頻繁に変化していました。)彗星は明るく大きくなっていますが、30分露出で仕上げた画像を見ると緑色に広がるコマの下方向やや左向きに、核から吹き出すような格好で黄色がかった偏色・増光が見えます。もしかしたらこれが尾なのかも知れません。

お次はジョンソン彗星(C/2015 V2)。二日前の撮影では完全に露光不足でしょぼかったので、今回は1時間露出に挑戦しました。ジョンソン彗星は現在動きがとても遅いため、今しかできない技。彗星に1時間かけたのは初めてです。

20170325ジョンソン彗星(C/2015 V2)
最後の10分ほど雲の影響が有り、また気温が急激に下がったためかピントが外れ気味ですが、コマや尾はしっかり写ってくれました。

ダストの尾がかなり広がりを見せています。太陽は彗星に対して左やや上方向にいますが、尾が太陽の反対方向を向いていません。通常ダストは太陽引力の影響で広がったり曲がったりすることが知られていますが、それを考慮してもだいぶずれています。このことは眼視観測をしている星仲間のdocanさんからの指摘なのですが、どうしてか調査しているところです。なお画像はふたつとも彗星位置基準のコンポジット、上方向が天の北方向、上下画角は約0.7°です。

参考:
タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)に関係する記事(ブログ内)
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)

コメント

トラックバック